ホーム 増井真也日記 日本左官会議の旧渡辺甚吉邸見学会に参加した

増井真也日記

日本左官会議の旧渡辺甚吉邸見学会に参加した

2023/07/05

今日は日本左官会議の旧渡辺甚吉邸見学会に参加した。場所は茨城県取手市の前田建設工業さんの敷地内にある。保存運動の結果、移築保存されたそうで、まだ一般公開前というから大変貴重な機会であった。

旧渡辺甚吉邸は1934(昭和9)年、東京都港区白金台に、岐阜の名家渡辺家の14代当主甚吉の私邸として建てられた洋館である。チューダー様式で、部屋ごとにロココ、山小屋風、和風など多様な様式が存在している。食堂の見事な天井のほか漆喰装飾が随所にあり、左官の見どころも多い。今日は移築時施工にかかわった左官・白石博一さんの解説付きということでとても有意義な会であった。

ちなみに一例、この天井は石膏で作られている。石膏を流し込むのはシリコンで作られた型で、その型の原型は粘土で作るという。出来上がった天井を見ていると、これだけの大量生産だけれどもなんとなく一つ一つに人の手のあとが滲み出ているところが面白い。これがも樹脂製品の天井だったらその綺麗すぎる形態から人の手の跡を見出すことはできないだろう。石膏による型の工程は、自然の素材と人の手の交流により生み出される歓喜を感じることができるギリギリの省力化的工夫なのかもしれないと思った。

 

TOP▲