今日は東京文京区にてリフォームを検討中のSさん打ち合わせ。Sさんの家は東日本大震災の前の年に僕ではない建築家の設計によって造り上げたデザイナーズハウスである。
僕ではない建築家さんの設計だから、まずはその設計の意図を汲み取るところから始まるわけだけれど、同じ世代を生きる建築家同士だから設計当時のコンセプトを理解することは容易にできる。お客様も当時の設計コンセプトを気に入って建てたわけなので、その良さを消さないようにしながら今の暮らしに合うようにアレンジしてもらうことを望んでいる。そして僕のところに相談に来るという時点で、その建築家さんがすでに事業をやっていないなどの事情があるわけで、僕はお二人の意図を汲み取りながら、さらに今の時代を生きる建築家としてもう少し構造は補強した方がいいよというようなアドバイスもしてあげて、この先何十年も快適にかつ安全に暮らすことができる住宅を作ってあげることが求められるのである。
建築家によって作られた住宅は文化だと思う。暮らしている本人はもちろん、周辺の環境にも何らかの良い影響を与えていることが多い。それらの建築には機能や性能だけではない思想が込められている。その思想を理解しつつ、現代社会に求められる機能や性能に少しでも近づけることが大切だと思う。建売、ハウスメーカーのノンポリ建築にはない「思い」こそが建築が発する唯一の文化だからこそ、大切にしていきたいと思う。