今日は埼玉県蕨市にある古民家を訪れた。築90年ほどの古い木造住宅を丁寧に直してこの先も住み続けたいというご相談である。僕は古い建物がとても好きなので、こういうご相談はまさに大歓迎だ。田村と妻と一緒に現場を調査し、どの程度の痛みがあるかの推察や、どのような改修工事が適しているかの考察を行なった。
日本の建築は50年もすると価値がないことにされてしまうことが多い。住宅を丁寧にメンテナンスして、次の世代に受け継ぐという文化がないのは、高温多湿の気候や木造が中心であることが原因なのだろうが、海外では木造の住宅でも何世代にもわたって使い続けられているし、古ければ古いほど価値があるという価値観もあるわけだから、この国でもそうした文化の醸成ができるのではないかという期待もある。でもそのためには受け継ぐに値する建築であることが重要なことで、だとすると僕たち建築家が良いものを作る努力をもっともっと行わなければならないということなのかもしれない。
