ますいいの運営するノンプロフィットレンタルアートギャラリーとギャラリー。各アート作品の展示・販売をするショップとなっております。

公式サイト>

ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

詳細情報>

ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

ますいいについて/about us
作品集/galleryコンセプト/concept現場進行中/project仕事の進め方/workflow
増井真也日記
田村和也雑想設計室雑感
お問い合わせ/contact

top > 田村和也雑想 > 田村和也雑想top

田村和也雑想

1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11

2017/10/06

住まいの設計の最新号が送られてきました。
3月末に完成した、玉川学園の家を掲載していただいています。

n5.jpg

n6.jpg

取材時の風景。

n2.jpg

カメラマンやライター、編集長まで来ていただいて、紙面の構成を考えながらの撮影と取材になります。

「じゃ、次は黒板塗料を塗った壁に、お絵かきしている写真を撮ろう!
 いーね、いーね。上手だねー。」
 カシャ、カシャ、カシャ。

n1.jpg

そんな感じで進められてゆきます。

取材に立ち会った私はといえば、ライターさんやお施主さんと、家づくりの思い出話に花を咲かせていました。
出会ったころから、設計時、施工時、セルフビルド等々、
そして、その後の住みごごちまで。

n3.jpg


「そうそう、そんなことありましたねー」
ということから
「あれっ、そんな不安があったんですかー??」
ということまで。

こうして振り返ると、家づくりには本当にいろいろな出来事とストーリーがあるんだと改めて気づかされます。
もちろん、それは玉川学園の家に限ったことではありません。
今回はたまたま、新宿にあるリビングデザインセンターOZONEさんからの紹介ということもあり、そのつながりで
取材をしていただきました。
しかし、これまで手掛けてきたどの家にも、それぞれにご紹介したいストーリーだらけです。
メディアにはその時々の特集やテーマがあるので、なかなかすべて取材というわけにはいかないのが本当に残念です。

n4.jpg

先日から、この日記に現在進行中のリフォーム工事を「受け継がれる家」としてお話仕立てで紹介し始めました。
家づくりって、こんなにいろんなことをみんなで考え、手や体を動かし、
いろいろな出来事の積み重ねで出来ていくんだ、ということを少しでも伝えられればという思いと
そうした話を記録に残しておいても良いかなという気楽な気持ちから、お施主さんの了解も取らずに勝手に始めました。

まあ、うちのお施主さんはみんな心が広いので大丈夫だと思いますが、
私が気まぐれな性格なので、最後まで続くかのほうが不安ですが・・・


2017/10/02

受け継がれる家 -2-

ますいいリビングカンパニーは、工務店機能を備えた設計事務所とうたっている。
お客さんのご要望に応え、それぞれのライフスタイルや家族構成、これからの生活をイメージし、世界に一つだけの家を丁寧に設計する。
そのうえでクライアントの予算に合わせ、既成概念にとらわれず、なるべくローコストで提案することを得意としている。
ローコストとは安売りのことではないと僕は思っている。
それぞれのクライアントにとって、コストをかけるべきところ、かけなくてもよいところを話し合い、明確にすることで無駄な部分を省き、メリハリをつけることを大切にしている。

営業に費用をかけないこともそのひとつだ。
営業を担当するスタッフはいないし、ゴージャスなパンフレットやモデルルームなどもない。
そうしたものの製作費や維持費は、クライアントの住宅を建てる費用に、当然上乗せされる。
純粋にクライアントの予算は、その家を建てるための費用に使いたいと思っているし、そしてクライアントも私たちも納得いく建物が、納得のいく金額で建てられること、その積み重ねが一番の営業だと思っている。
出来上がった住宅やその生活をホームページで紹介し、雑誌などのメディアで取り上げてもらえることで、地道な取り組みは次へつながっていく。

そもそも、たくさんの仕事が来ても、この仕事のやり方ではできる数には限界がある。
それくらい手間のかかる、非効率的なことをしているといつも思う。
家を建てようと思う人ももちろんそうだと思うが、私たちも、この家族のために家を建てたいなと思う人の仕事を時間と手間をかけて丁寧に作っていくことが理想であるし、今は理想に近い仕事ができているのではないかと思っている。

つづく

2017/09/28

受け継がれる家 -1-

ある日、一台の軽トラックが事務所の前に停まった。

事務所は一方を駐車場、三方を道路に囲まれた中州のような場所に位置している。
三方の道路のうち、建物北西に直交する2つは、左程大きな道路ではないが、幹線走路への抜け道となっていて、比較的交通量が多い。
残りの北側に接する道路は、その向こうに建ち並ぶ4件の住宅のために作られた袋小路状の道路で、使うのはそこの住民か、僕たちに用のある気の知れた仕事仲間たちである。

歳にして50半ば過ぎくらいだろうか。
見たことのない一人の男性がその道路に停められた軽トラックから降りてきた様子が、打ち合わせをしていた僕の目に、窓ガラス越しに入ってきた。
男性はこちらに気づき、軽トラックの脇で、ちょいちょいと手招きをしている。

「ちょっと、すみません。」
クライントに一言かけ、
「お客さんが来てるよ」
と横にいたスタッフの関野さんに声をかけた。

関野さんは、ガラガラと無駄に大きく設計された引き戸を開け、庭を抜け、道路で待つ男性のところへかけて行った。
1,2分くらい話していただろうか、しばらくして男性は軽トラックに乗って帰っていった。

「誰だったの?」
打ち合わせを終えた僕は関野さんに話しかけた。
「よくわかりません。
何をしている会社か聞かれました。
設計と施工を行う工務店だと言ったら、何が得意か聞かれたので、手をかけて丁寧に設計した住宅をローコストで提供しています、と答えました。」
「で?」
「パンフレットないのかって言われたので、そういったものは作ってないので、ホームページを見てくださいって名刺を渡しました。」
「それで?」
「そんな対応じゃ、お客無くすよって、名前も名乗らず帰っていきました。」

なんのゆかりもない土地である町田に分室という形で事務所を構えて5年が過ぎた。
なぜ町田かとよく聞かれるが、それは埼玉県川口市にある本社からの距離と,都内へも多摩地域へも横浜方面にも行きやすいという立地を踏まえた実益を考えてのものだった。
設立当初は、平屋で外壁の半分がガラス張り、掘立小屋を作るような材料を組み合わせた変わった建物の物珍しさに、通りかかりの人に良く話かけられた。
中には仕事の相談をされることもあったが、通りがかりで頼むには住宅はあまりに高価な買い物だ。
今でも、そうした飛び込みで話しかけられることはぽつぽつあるが、敷地にも入らず、道路から「ちょいちょい」と手招きで呼ばれたことは初めてであった。
打ち合わせをしていたこちらに気を使ってのことかもしれないが、なんとなく良い気はしない。

恐らくそっけなく映った僕たちの対応に対して、きっと相手も同じことを思っただろう。

つづく

2017/09/22

東京都世田谷区桜丘で新築工事が進行中です。
この家の特徴はなんと言っても細長い。
建物の幅は4Mありません。長さは13Mほど。
4件住宅の立ち並ぶ通路の一番奥、細長い土地に目いっぱい計画しています。

hayasi3.jpg

敷地の3方はみっちり住宅に囲まれていますが、東面は農園になっていて、大きく開けています。
現状は開放的な東面ですが、将来、建物の建つ可能性も考慮し、2階LDKには南東にバルコニー、中央の吹き抜けを利用して北面にハイサイドライトを設置しています。
建物形状と同じく、細長いLDKの奥に、北側の安定した採光を確保すると同時に、南からの風がハイサイドライトから抜けてゆく計画です。

hayasi1.jpg

hauasi2.jpg

また、この家のもう一つの特徴は、「図書室」と呼ばれる部屋があることです。
本好きのご夫婦は、どこにいても本が手に取れるようにと、各所に本棚を設置していますが、玄関を入って右手側には長さにして6M、天井までいっぱいの間仕切り本棚を設置します。
玄関側からも使え、その向こうの細長い部屋からも使用できる、背板のない本棚です。
そしてこの細長い部屋が、「図書室」と呼ばれる部屋です。

hayasi4.jpg

設計当初は普通に壁があり、細長い部屋は「子供室」という名前がついていました。
きっかけは、設計打ち合わせ中に奥さんの漏らした一言。

「子供には、いつまでも実家にいつくのではなく、時期が来たら早めに独立してほしい。
 快適な子供室なんていらないんじゃないか。
 図書室のような部屋を、必要に応じて子供に貸してあげる、そんなイメージがいいな。」

この言葉を聞いて、壁はオープンな本棚となり、室名は「図書室」となりました。

大きさも、形状も変わらない、ただの呼び方ひとつで、部屋の使い方のイメージは大きく膨らみ、
それと同時に、お施主さんの描いている生活を本当に形にできているのだろうか・・・
という、当時、私の持っていた漠然とした不安が一気に吹き飛んでいったような気がします。

住宅を設計していると、子供室に対する考え方は本当に人それぞれだといつも感じます。
4.5畳とか6畳くらいの収納付きの個室が必要といわれる方もいらっしゃれば、2~3畳くらいのスペースに寝台列車のようなベットと最低限の机、収納スペースがあれば良いという方まで。
それは、ご夫婦の子育てに関する考え方や、自分たちの実際に育った住宅や環境が大きく影響しているのだと思います。
もちろん、正解などありません。

hayasi5.jpg

二歳になった、やんちゃ盛りで、いつもかわいい、まーちゃんとお施主さんご夫婦がこの部屋をどのように活用してゆくのか、今から楽しみです。

2017/08/21

神奈川県横浜市金沢文庫の家の大工工事が進行中です。

実は、お施主さんと初めてこの敷地を訪れたのは、一年半ほど前。
敷地を訪れてびっくり、敷地の南東二面は角度にして60度近くの崖になっています。
崖下に広がる住宅地との高低差は30M以上。
確かに、見晴らしは最高ですが、果たしてここに家を建てることができるのだろうか・・・
地震で転がって、30M下に家が落っこちるなんてことにならないだろうか・・・
そもそもこの崖、崩れたりしないのだろうか・・・
不安は募るばかりです。

地盤調査を行い、何度か、役所に出向いて話を聞き、
何だかんだ私の経験不足もあって、一年以上も設計期間をいただいてしまいました。

IMG_1374[1].jpg
(ダンプの先と写真右手が崖です。)

そもそも、この敷地、安全に家を建てられるのも、泥岩と言う泥が固まったような岩でできているからです。
硬い岩山だから崩れないでしょう、ということですが、
いざ基礎工事で土を掘ろうとすると本当にかっちかち。
掘るというよりは、少しずつ砕いていく、基礎業者もはじめての難敵に四苦八苦。

IMG_1375[1].jpg

ようやく上棟にこぎつけた次第です。
さて、当の設計はというと、この自然に負けないくらい力強い空間が作れないかと、ほとんどの柱や梁、屋根垂木が化粧で見えてきます。
計画自体はすごくシンプルなプランですが、これほど大工泣かせな構造はめったにありません。
だって、普段は隠れてしまう屋根の加工や柱・梁すべて見えてくるのですから。
どこも手を抜けません。
何十本とある大きな垂木もすべて手で刻んでゆきます。

IMG_1377[1].jpg

本来なら仕上げ工事で作成する本棚も、化粧の構造材と絡むため、外壁下地と一緒に作っています。
こちらも、縦地をたてないために、一本一本の間柱を彫り込んで、棚板を差し込んでいます。

IMG_1378[1].jpg

そのうえ、構造を見せるために、断熱はすべて外断熱です。

IMG_1376[1].jpg

大工さんの仕事ぶりには、本当に頭が上がりません。

そして、上棟式を開いていただいた際、お施主さんが、
家を建てはじめる前に一年を通してこの敷地の四季を感じ、設計に生かされたことが良かったと
思いもよらない言葉を。
本当にお待たせしてすみません・・・
と思いながらも、施工中から良い家になることがビンビン伝わってきます。

現在は、南東の崖に向かって連窓として大きく開かれたサッシを取り付けています。

IMG_1373[1].jpg

そう、すべてはこの景色を取り込むために。
この場所にしか、建てることのできない建築を作るために。

2017/08/19

お盆休みは、島根県の実家へ里帰り。
お墓まいりの帰り、

011.jpg

住んでいた頃は(といっても高校を卒業するまでですが)、なんとも思わなかった風景が、
離れてみると、赤い瓦の街並み、緑の山、青い空、味わいのある風景だと気がつきます。

「民家はキノコである」

ある著名な建築家の言葉です。

すぐれた民家は豊かな風土の中に作られる
きびしい風土は住まいにきびしい表情をあたえる
だから民家は正確には建築ではなく
自然の一部だとおもう

とのことです。

独特な色をした赤褐色の瓦は、石州瓦といい、室町時代から江戸時代にかけて生産が始まったと言われる
伝統的な地産品。
高温で焼くために凍害に強い特徴を持ちます。

地元の土や釉薬を使って、工夫を重ね、当然の様に作られた民家と街並み。
まさにキノコのようなもの。

旧市街地では、まだ普通に残るこうした街並みですが、少し郊外に離れると、日本中どこに行ってもあるような、まるでマッチ箱を並べたような造成地がぽつぽつとみられるようになりました。
グローバルといえばそれまでですが。

住宅は、個人が資産を使って建てる建物です。
日本ではその土地も個人のものです。
法律はもちろんありますが、どんな建物を建てるかは、基本的には建てる人の自由です。
だからこそ、建て主や私たち設計者は、それが街や周りの人の資産でもあることを忘れてはいけないような気がします。
そうしないと日本には本当に街並みと呼ばれるものが消えてしまうかもしれません。

なんとなく、そんなことを考えさせられたお盆休みの一コマでした。

2017/07/17

横浜市港北区で進行中の綱島の家は、セルフビルドの佳境を迎えています。
内外装の塗装工事、壁の漆喰塗り、タイル工事とその内容は盛りだくさんです。
毎年のことながらこの猛暑の中、連日作業をされているお施主さんには頭が下がります。

漆喰のための下地のパテ処理をしていたところ、外水道で手を洗っていたお施主さんの奥さんは
「クロス屋さんですかー?(暑い中たいへんですね・・・)」
とご近所の方に声をかけられたと、茶目っ気たっぷりに笑わせてくれます。
大変な中でも、楽しみながら作業をされている様子を見ると、ずっと大切にしてもらえる家が出来上がるんだろうなーと、
勿論、他人ごとではないのですが、思います。


さて、この敷地は四周を建物に囲まれています。
両隣り三階建てに挟まれた、谷間のような通路を通って建物にアプローチします。

IMG_4965.JPG

南側も三階建てのアパートが建ち並んでいます。
そのすき間をついて、小さな庭スペースをつくり、窓を取り、吹抜けをつくり・・・
光を取り入れ、風の抜ける場所をつくっています。

IMG_4954.JPG

玄関土間からつながるアトリエスペース、階段スペースと子供室をつなぐ書斎

IMG_4962.JPG

IMG_4960.JPG

子供室から登り、リビングを上から眺められるロフト

IMG_4957.JPG

限りあるスペースの中で、個室の面積をおさえ、様々な居場所が程よい距離感で繋がっていることもこの住宅の特徴です。
都市の谷間のような敷地に、家族の気配をいつも感じられるひとつながりの家がもうすぐ完成します。

2017/06/26

また、また、久しぶりの更新となってしまいました。
あまりに音沙汰なく「町田分室、大丈夫か」と不安に思われている方々・・・
大丈夫です。
沢山の面白い物件が進行中です。
ご紹介したいのですが、まずはホットな話題から失礼します。

先週末、4月まで一緒に町田分室で働いていた中村君の結婚式に堤君とともに出席してきました。

IMG_4992.JPG

会場は中村君と奥さんの地元の京都。
学生時代からお付き合いしている二人は、地元の学校を卒業し中村君が就職とともに町田にやってきてから4年間は遠距離恋愛でした。
もとより、奥さんと約束したこちらでの修行期間を経て、めでたく地元に帰っていきました。
最後の最後まで、こちらの物件に一生懸命だった中村君は、とうとう地元での就職活動も全くできず、かえってからも結婚式の準備に忙しかったようで、いまだプータロー(本人曰く、来週には決まるとのこと)です。
男性の寿退社ってのものあるんだなーと職人さんや担当したお施主さんと笑っていた次第。
当の本人は全く気にも留めていません。

さてさて、その結婚式。
私も、この年になると、結婚式に招待いただくこともだんだん少なくなってきます。
しかし、結婚式に参加するといつも思うことがあります。
それは、普段一緒にいる親しい人も、僕が見ているのは実はその人の多面的な面の一角なんだなということです。

結婚式には多くの方々が参加されます。
その人たちの振る舞い、一緒に過ごした時間の話などを聞いていると、こんな風に育って、出会いがあって、今の彼が形成されていったんだなと勝手に感慨深くなってしまいます。
ありふれたいわれ方かもしれませんが、周りの人々が本人を写す鏡のような存在です。

ジョン・レノンもびっくりの口ひげを蓄えたお兄さんの軽快なトークと乾杯から披露宴は始まり、
お父さんによる、「未来予想図2」の弾き語り。

IMG_4994.JPG

最後、親族代表のあいさつにまで、小ネタがはいります。
それを支える、元気なお母さん。
友人も、素直で楽し気な人たちばかりです。

中村君って、小学生の様にまっすぐで(町田の事務所の一角に4年間住んでいたほど)普通の人から見るとちょっと変人?
という感じですが、納得。納得。
むしろ、この中では普通かも・・・
と思えるほど楽しい人たちばかりです。

二次会からは、中村君より一足先に大阪に帰ったOG関野さんも駆けつけ、同窓会の様に。

IMG_5016.JPG

関野さんも夏に結婚を控え、今は一級建築士目指して猛勉強中?の様です。
町田分室が始まって間もなくから、支えてもらった二人がいなくなってしまったことはさみしいですが、
また、この仕事を続けていれば、また何か一緒にできることもあるかもしれません。

活躍を期待しています。
お互い頑張りましょう。

2017/03/12

いつの間にか、春がすぐそこまできています。
つい、この前お正月だったのに・・・
一年が過ぎてゆく速度が毎年更新されている気がします。
もれなく今年も最速の一年になりそうです。

さて、年明けに完成したリフォームの物件を紹介します。

IMG_3734.JPG

中古住宅を売り出すにあたって、すべてリフォーム済みだった今回の物件。
その計画は、キッチンの制作や和室を洋室に変えて上部に吹抜空間を作るなど。
新しいキッチンや畳を撤去することは、お施主さんにとっても私たちにとっても違和感がありましたが、仕方がありません。
ものがいらなくなるとき、それは壊れてしまったとか、古くなって使えないとかよりも、愛着の持てなくなったときが一番多いのかもしれません。
長く愛されるもの、たとえ持ち主が変わったとしても魅力的と思ってもらえるもの、そうしたものを作り、残してゆくこともひとつのサスティナビリティーなんだと痛感させられます。

IMG_3730.JPG

今回作ったキッチンはモルタルキッチン。
ますいいでは、よくやられているキッチンですが、私が作ったのは入社二年目で作って以来2作目。
実に十年ぶりに制作しました。

IMG_3826.JPG

今回は、アイランドカウンターと壁にもモルタルを塗り、とても雰囲気のあるキッチンになりました。
入居後お邪魔すると、お施主さんの集められたこだわりの食器や調理器具と調和し、とても素敵な雰囲気です。
作家さんが手作りで作られたこれらのキッチン用品と左官屋さんが二日がかりで塗りつけたモルタルキッチン、それぞれ職人としての思いが伝わってきます。

IMG_3835.JPG

もともとの和室の上部は吹き抜けに

IMG_4006.JPG

室内は塗装工事や家具の制作など、まだまだやりたいセルフビルドが盛りだくさんだそうです。
完成写真は一通りセルフビルドが終わってからということで、今回はスナップ写真だけの紹介です。
Sさん、完成楽しみに待っています。

2016/12/17

町田分室から程近く、依頼されているリフォーム工事の現地調査に行ってきました。
その模様は、後日ご報告しますが、その帰り道、

IMG_3698.JPG

道路に落書きが。
最近、見ることの少ない落書き、ふと先をみてみるとさらに続きがあるようです。

IMG_3699.JPG

坂道を下りながら続く落書き

IMG_3694.JPG

きちんとマンフォールはよけられ

IMG_3700.JPG

カーブを曲がってまだまだ続く。

IMG_3701.JPG

やっと犯人たちが見えてきました。

IMG_3702.JPG

きっと、楽しいだろうなー、子供ってうらやましいなと思いながら、
どこまで続くかわからない線を追いかけて、この先どうなっているんだろうとウキウキしているわたし。
路地状の坂道の持つ魅力、きっとそういう場所の持つ魅力が生活を豊かなものにしているんだと気づかされるひとときでした。

IMG_3703.JPG

2016/11/30

気を抜くと、いつの間にか前回の日記更新から、一週間、二週間経ってしまいます。
時間の経つのはあっという間、いつの間にか今年も年の瀬です。
言い訳ですね。

少し前になってしまいますが、八王子市狭間町で計画中の住宅の地鎮祭を行いました。
地鎮祭は、建築工事を始めるにあたって、その土地の神様をお迎えし、工事の安全と関係者みんなの健康とご多幸をお祈りする儀式です。
そのために、2M四方に笹竹を立て、縄を巻き、祭壇をつくって準備をします。
基本的にはその準備は工務店である私たちが行うのですが、最近では笹竹をいただけるところも少なく、樹脂でできたイミテーションの笹を用い
麻縄を使っています。

さて今回の狭間町の家での地鎮祭、私たちが準備を始めようとしていたところ、
軽ワゴンの後部ドアから大きな笹をはみ出させながら、お施主さんの旦那さんと奥様のお父さんが颯爽と登場。
やはり、本物の笹でないとと、ご近所からいただいてきたと。

さあ、準備と、お施主さんの取り出した縄は、少し、いびつな形をしています。
なんと、お父さん指導のもと、お施主さんが自ら縄を編んだそうです。

IMG_3635.JPG

そこからみんなで準備を行い、立派な地鎮祭となりました。
それにしても、なんでも思いのこもっているものは、いいもんだなーと思います。
家づくりも、なんでもそうだと思いますが、いろいろな人の思いがこもっているからこそ、きっと良いものが出来上がるのだと思います。
神様をお招きしようと縄一本から手作りする、しみじみとしてしまいます。

IMG_3632.JPG

何だか手に集中してしまい、顔の切れた変な写真になってしまいましたが、お父さんから縄づくりの指導を受ける堤君。
ちなみに縄の材料は、お酒づくりが趣味のお父さんがつくっている酒米からとれた藁ということです。
つくづくこだわりです。

IMG_3634.JPG

私達もおすそわけをいただき、今年はしめ縄作ろうかなーと。

IMG_9487.JPG

狭間町の家の模型写真です。
二階LDKは5.4M×7.2M(24畳)の無柱空間をつくります。
大きな屋根はトラス形状に組まれた化粧梁が支えます。
高台に建つこの住宅の、南東に開けられた連続窓からは八王子の街並みや遠くの山並みが見える予定です。

設計は堤君。
初めてのトラス屋根に四苦八苦していますが、きっと良い家になるんだろうなー。

2016/11/14

最近、ふと気が付くと、中村君が模型をちょくちょくいじっています。
基礎工事進行中の町田市、玉川学園の家の模型です。
だれに頼まれたわけでもないのに。

IMG_3640.JPG

基礎工事中というのは、これから始まる木工事(大工さんが入って骨組みから建物を作っていく工事)に向け、
細かな部分の設計を進めていく大事な期間でもあります。
実際に大工工事が始まると、現場はどんどん進んでいきます。
この時期にしっかり詳細を検討しておかないと、流れのままに工事が終わってしまうか、検討しているうちに大工さんの手を止めてしまいます。

そこで何かアイデアが浮かぶと、完成している模型に手を入れて、色々と検討を行っているのでしょう。
今日はダイニング・キッチン横の壁にアクセントで色を付けてはどうかと模型で検討しているそうです。

IMG_3644.JPG

玉川学園の家は二階に設けられたL字型のLDKに囲まれるように大きなバルコニーを配置しています。
バルコニーへ出る掃き出しサッシは、木製の製作品で、一枚の幅が一間もある大きな引違になっています。
LDKのどの部分にいても、その大きな窓とバルコニー越しに遠くの山を眺められる、そんな構成になっています。
その特徴を最大限生かすためにも、サッシ周り、内装仕上げの収まりは重要です。

IMG_3645.JPG

しかし、自分の作った模型を眺めて一人で「にやにや」している様子は
とても気持ち悪い。。
良いものができのでしょうか。

2016/10/24

竣工する家があれば、いよいよ工事がはじまる家もあります。
設計中の家も含めて、紹介したい家がたくさんたまっています。
なんだか宿題をためてしまっている気分ですが、順番に、ひとつつづ、ひとつづつ。

模型写真1.JPG

横浜市旭区で基礎工事進行中の住宅です。
この住宅の設計は、堤君が中心となって進めています。
私の設計したものも含めて、色々なプランを提案したのですが、お施主さんが選んだのは堤君の考えた設計でした。

いやー、とうとうこんな日がきたか、といった感じです。
町田分室をはじめてから、5年になります。
個性豊かな考えの設計者が集まり、現場管理まで含めて、お施主さんと一緒になって、ワイワイと楽しい家づくりをしてゆく。
そんな人たちの集まり、私一人が中心ではなく、中心がいっぱいあるような組織になるといいなと常々思っています。

IMG_0906.JPG

さてこの住宅の特徴は、ハナレがあることです。
模型写真でいうと右下にある切妻屋根のかわいいボリューム、4.5畳の小さな空間です。
ハナレといっても、二階からはデッキを通ってしか行けませんが、一階ではつながっています。
つまり、この家には通常の二階へ上る階段と、ハナレに上る二つの階段があります。

提案する前は、こんな無駄のある提案、お施主さんに受け入れてもらえるかな?
と不安を抱いていましたが、来客スペースにも書斎にも使えるこの場所の面白さに共感いただきました。
そして何より、切妻屋根が分棟しているこのボリュームが、かわいいと。

最初にこの住宅の案を見たときに、私は田舎の友達の家を思い出しました。
農家のその家では、ハナレになっている倉庫の二階が子供部屋になっていました。
当時の大人でも子供でもない年齢だった私たちにとって、そこは大人たちと適度な距離を持ったとても魅力的な場所でした。

客観的にみると一つの住宅に階段が二つもあることは無駄以外の何物でもないと思います。
費用だってかかります。
設計をしていると、こうした場所がお施主さんに無駄ととらえられるか、その建物の奥行きと捉えられるかは紙一重です。
しかし、コストや使い勝手のみを中心に考えた、一切無駄のない、そんな家魅力的かな?
だらーーとリラックスできる家になのかな?とも思います。

この場所を作ってよかったなと思われるように、ここからの細かな部分の設計は非常に大切になってきます。
いつも書いていますが、設計は現場が終わるまでずっと続きます。

IMG_1036.JPG

基礎ももうすぐ終わり、いよいよ上棟です。

2016/10/13

横浜市泉区、世田谷区喜多見の家に続き、江戸川区の家も無事引き渡しを終えました。
ちょうど同時期に工事をしていたこれらの住宅は、個人的にもいろいろなことがあった時期でもあり、とても印象深い家づくり三部作となりました。

1.jpg

江戸川区の住宅は、私の大学時代からの友人の家です。
初めて相談を受けたのは、2年以上も前。
「家を建てようかと思っているんだけど、相談にのってくれないか、出来れば、ますいいに家づくりをにお願いしたい」
と。
はじめて話を聞いた時は、単純にびっくりしました。

3.jpg

学校を卒業して、20代中盤から設計を仕事にしている僕にとって、お施主さんは年上の方で、家を建てることのできるような大人な人たちという印象。
まず、僕たちもいつの間にかそんな年(立場)になっていたか、と。

また、建築学科を卒業している僕たちの周りには、設計を仕事にしている友人、知人が多くいます。
なんで、僕なんだ?
確かに、学生時代から一番仲の良い友人のひとりではあるのですが、
それまでにはいつも、生意気にも
「知り合いの家を設計するのはなんだか抵抗がある」
という話をしていました。

13.jpg

先日、増井さんも日記で書いていましたが、知人・友人の家を建てて、その後の関係がうまくいっていないという話はよく聞きます。
設計あるあるのような話です。
では、何が問題なのか。

10.jpg

一般的に、ますいいに家づくりを頼みたいというお施主さんは、HPや雑誌で知ったり、これまで建てさせていただいたお施主さんからのご紹介だったりします。
それでも、何社かまわって、その中で私たちともお話をし、作品を見たうえで、この人達となら、と思って頼んでいただいていると思います。

知人・友人の場合、そこのところがずれる可能性があるのではないかと思うのです。
つまり、どういう気持ちや体制でどういう住宅を僕たち(ますいい)が作っているかはあまり知らないが、メディアに出ていたり、知り合いだし、きっといい家を作ってくれるだろう。
そんな不確かな確信で頼まれると、僕たちが行っているような家づくりではきっとうまくいかない。

7.jpg

こんなことを言うと高飛車な奴と思われるかもしれませんが、無理に友達の仕事を受けなくても、頼んでいただける方は他にもいる。
何より、友人をなくすと大変だ・・・
分室の主催ではあるけれど、無理した売り上げより、友人との関係を壊すことのほうが大変だ。

15.jpg

「俺、言っても会社員だし、特別なことはできないよ。もちろん値引きとかできないし・・・」
「つまり他のお施主さんと同じような家づくりだよ。」

「そんなことは分かっている。」
「でも、やってほしいんだ。」

そんな一言、二言だった気がする。
それでも、言わんとしていることは分かってもらえて、それでも頼んでくれるんだ!
とすごくうれしい気持ちになったことを覚えています。

IMG_2957.JPG

この住宅は施主である友人に、僕のわがままも多く聞いてもらいました。

階段は壁から突き出したような宙に浮かんでいる感じがいいな。
手間のかかる面倒な仕事にいつもながら、大工の山中さんには頭が上がりません。
それも作ってみないと、これで支えられるかどうかも不安な階段・・・
よくOKしてくれたなーという感じ。
結果的には思ったより全然大丈夫でしたが。

IMG_3456.JPG

アプローチは、以前からやりたかった洗い出し仕上げに。
小さな砂利を混ぜて押さえたモルタルの表面を水を流して洗ってゆきます。
そうすると砂利が顔を出し、なんだか懐かしい土間仕上げとなります。

IMG_3459.JPG

和紙を扱う作家である岡崎さん
http://www.kouitudo.com/
のもとに、みんなで紙を漉きに行って、岡崎さん指導のもとセルフの和紙貼り

IMG_3406.JPG

IMG_3417.JPG

IMG_3419.JPG

IMG_3414.JPG

外壁の板金工事も鉄骨のバルコニーまわりなど、細かいところまで本当に丁寧にやってもらっています。
至るところに貼ったタイルはすべて、施主である友人のセルフビルドです。

こうして普段から付き合いのある職人さんは皆、家づくりの先輩たちですが、皆友達のような存在です。
施主である友人も含め、そうした人たちと一緒に家を作ることは本当に楽しいですし、幸せな仕事だなと思います。

IMG_3514.JPG

IMG_3508.JPG

引き渡し時に、表札をつけた際、奥さんが、
「建てる前に、砧の家を見学をさせてもらったとき、お施主さんがいろんなところのエピソードを嬉しそうに話してくれたんだよね。
 その時は、ちょっとびっくりしたけど、今ならその気持ちすごくよくわかるわー。」
としみじみ。

そりゃーもう、僕はガッツボーズですよ。心の中で。
注文住宅において、100%なんてありえないと僕はいつも思っています。
人が作るものですし、ましてや素人も一緒にセルフビルドしているわけで。
よくできた所も、うまくいかなかった所もすべて含めて好きになる。人に話したくなる。
それってもう愛着ですらないのではないか。
愛情ですよね。

2016/10/03

東京都世田谷区喜多見の家が竣工をむかえました。

4.jpg

毎回のことですが、竣工をむかえ、完成写真を眺めていると設計当時のことや工事中の出来事を懐かしく思い出します。
喜多見の家のお施主さんは、当初、他の設計事務所さんでお話を進めていました。
初めて、ますいいに来られた時には、既に図面も、本見積もりも出来上がっているというお話でした。
そして設計図は気に入っておられると。
では、何が問題だったのか?

5.jpg

それは、お施主さんの話を聞いているとひとえに、細かい部分の説明、コミュニケーション不足だとわかります。
一言コミュニケーションと言っても、お施主さんとのコミュニケーションだけではなく、設計者、営業をする人、積算をする人、工事を監督する人と通常分野分けしている社内体制の中でのコミュニケーションも含まれます。
設計者には伝わっていても積算する人には伝わってない、営業の人には言ったのに・・・
ひとつひとつは小さなことでも、それが積み重なると、大きな問題につながってきます。

2.jpg

ますいいでは、そうした社内体制をシンプルにするために、設計・施工を行う工務店として、設計・積算・現場管理とすべて担当の人間が行っています。
実際に建物をつくる職人さんとも常に一対一、直接のやり取りをしています。
とはいえ、こうした問題はもちろん他人事ではありません。
住宅という建築物の中では小さなものでさえ、本当に多くのことを決め、多くのことを話し合いながら作り上げていきます。
設計期間半年、工事期間半年という決して短くない時間の中で、重要なことからくだらない世間話まで、本当にたくさんのことを話します。
その一つ一つの積み重ねが、信頼となってお互いに満足のいく家が出来上がるのだと思います。

moti1.jpg

喜多見の家のお施主さんは、満足のいく家ができたのだろうか。
僕たちに頼んでよかったと思っていただける家づくりができたのだろうか。
どの物件でも竣工の際は、そんなことを考えてしまいます。

moti2.jpg

今回も内装漆喰や塗装など、多くのセルフビルド工事を行いました。
終盤は忙しい会社の合間を縫ってご主人が壁を塗りに現場に来られます。
週末は、お子さんも含め家族全員で現場に来れれます。
本当に終わるのかなと途中、僕でさえ心配になった大量のセルフビルドを現場を担当した関野さんと一緒になって、とうとう仕上げました。

IMG_3539.JPG

おかげで、内装の壁、天井はすべて漆喰、床は無垢の杉フローリングなどすべてが自然素材の気持ちの良い家が出来上がりました。
リビングの壁や子供室の壁はアクセントに色をつけ、室内に奥行きが感じられます。

手のついていない外構工事などまだまだやることはありますが、ひとまずここでお引越しです。
これからも長い付き合いをさせていただけそうでが、まずは新しい家を楽しんで欲しいなと思います。

1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11
page top