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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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田村和也雑想

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2018/01/19

「この家の玄関はどこなんですか?」

先日お引き渡しをした横浜市金沢文庫の家の工事中、職人さんや運送業者さんによく質問されました。
それも、立派な玄関ドアから室内に入っているにも関わらず。
職人さんに関してはさらに図面も持っているにも関わらず。

この家の一階は、一部、畳の小上がり(4畳半)をのぞいてすべてコンクリートの土間仕上げとなっています。
玄関ドアから室内に入ると、何の間仕切りもなく大きな階段やキッチンが目に飛び込んできます。

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確かに一般的に玄関と呼ばれるような、リビングや居室に入る前の靴脱ぎスペース、いわゆる外部と室内の干渉スペースはありません。

お施主さんは、設計当初からこれから自分たちの暮らす家について、明確なイメージをもっていました。
金沢文庫駅から続く長いのぼり坂の中腹に位置するこの土地は、南東の二面が崖上となっていて、美しい景色が広がります。

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その景色を最大限に取り込み、一階のLDKは室内にいながらキャンプを楽しんでいるような、半外部のような場所にしてほしい。
出会って最初の打ち合わせで、そんなイメージを伝えられました。

そして何度も打ち合わせを重ね、ようやくお施主さんも私たちも納得のいくプランができたとき、
「ところで、一階は土間ですが、靴脱ぎスペースはマットかなにか置く形で大丈夫ですか?」
と質問したところ
「えっっ!靴は脱ぎませんよ。強いて言えば、小上がりの畳スペースの前で脱いで、さっと靴を隠すことのできる場所があるといいかな。」
と言われました。

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このようなコンクリートの土間床の広がる家を設計したことは、今までに何度もありましたが、みなさん玄関スペースで靴を脱いで生活されています。
町田分室の事務所も土間床ですが、それでさえ私たちは靴を脱いで使っています。

その時、このお施主さんは本当にキャンプを楽むような生活を望んでいるんだと身に染みて気づかされました。
玄関で靴は脱ぐもの、という既成概念を持っていいたのは私の方で、通常は当たり前に行う行為の範囲を、場所を少し変えるだけで、確かにその場所はいつもと違ったものになるかもしれない。
そんなことを考えるきっかけともなりました。

階段は、幅が広く人が座っていても通行に邪魔にならないくらいにしたいな。
近くに本棚があるといいな。
二階の一番景色の良い南東はセカンドリビングとして使えたらなー。
寝室以外はすべて間仕切りなくつながった一室空間として、小さくても良いから寝室のみ個室とし、動線の一番奥、東側に立っている桜の木が視界いっぱい楽しめる大きな窓が欲しいなー。

などなど、お施主さんのイメージはつきることがありません。

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それなら、景色をきれいにとらえられるように、アルミサッシのフレームはなるべく消すようなデザインにしましょうか。
二階は屋根の形をそのまま表現し、寝室以外は開放的な空間にしましょう。
その分、温熱環境的には不利になるので、外断熱で断熱性能はあげましょう。
大きく庇をはねだすことで室内と外部空間を柔らかくつなぎ、夏の直射日光はカットしましょう。

などなど、意匠と性能のバランスを考えながら、お互いに話し合いながら設計と現場は進んでいきました。

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ますいいさんの家は、ほんと変わった家が多いよね。
職人さんや知人などに、よく言われます。

当たり前ですが、僕は奇抜な家を設計したいわけではありません。
なんなら、僕の設計は、モジュールにあったシンプルな計画が多いように思います。
無駄なことをするのは好きではありません。

しかし、お施主さんと話し、何を求められているのか真剣に考えていくと、出来上がるものは、確かに少し変わっている。
まあ、人の顔がそれぞれ違うように、家だっていろんな形があっていいんじゃないか、
その方が、楽しいし、きっと大切にしてもらえるものになるんじゃないかと。
ただそんな風に考えているだけなんですけどねー。

2018/01/17

受け継がれる家 -4-

その家は、町田分室の事務所から徒歩で10分もかからないところにあった。
現場に出ていない時、ほぼ毎日と言ってよいほどお昼の弁当を買いに出かけるスーパーから道を挟んだ向かい側の路地を入っていったところに、どっしりとした瓦屋根をのせた民家が建っていた。
しっかりと手の入れられた建物南側の庭、東側には一体何年たっているのだろうと思わせるほどの大きな欅の木が茂っていた。

町田分室のある鶴川という土地は、白須次郎・正子夫婦が戦時中に避難し、自給自足の農民生活をしていた武相荘と呼ばれる農家があることからも察するに、ずっと里山のような場所だったのだろう。
今では、駅前の街道にはチェーン店の飲食店が並び、宅地開発が所々で行われ、建売住宅が軒を並べている。
私が町田に来てからも、事務所の前の道を挟んで向かい側にあった畑は小さく分割された宅地に造成され、まるでマッチ箱のような建売住宅が建ってしまった。
それでも、車で近所を走っていると、ふっと時間をさかのぼったような場所が現れることがある。
そして、事務所近くの路地を一歩入ったこんなところにも。

待ち合わせ時間よりも早く来ていた男性は、窓を開け家に風を通していた。
どうやら今はだれも住んでいないらしい。
「はじめまして。」
面と向かって話すのは初めてである。
「まあ、適当に見てよ。どこに入ってもかまわないから。」
「わかりました。まずはざっと建物を見させていただきます。」

今日は本格的な調査で来たわけではない。
大体、どのような建物か確認し、どんな計画なのかを伺いにきた。
しかし、本格的な調査でないといっても、確認しておかなければならないことはある。
床下をのぞき、床下は乾燥しているかどうか、周辺の木材は傷んでいないかどうか、基礎の立ち上がりに蟻道と呼ばれるシロアリが家に入った跡はないか、雨漏りはないか。
あとは、室内の床が大きく傾いていないか、内部の造作の作り具合などをチェックする。
内部の造作が丁寧に作られているかで、その家にかけた大工さんの思いが伝わってくる。
良い仕事をしている人は、見えるところだけではなく、目に見えない重要な内部も手を抜くことなく丁寧に作っているものである。

「どう?」
「良い建物ですね。経年変化以上に傷んでいる感じも受けないですし、とても丁寧に作られている雰囲気が伝わってきます。まだ一見しただけですが、十分残す価値のある建物だと思います。」
「いくらくらいでリフォーム出来そう?
ますいいさんはローコストが得意だって、先日、女性の方が言ってたよ。
前に堤さんにも話したけど、Z工務店に予算を伝えて、それでできるくらいのリフォームプランを出してって言ったのに、出てきた見積もりは1.5倍くらいの金額だったんだよ。
俺は予算をきちんと伝えたのに・・・」
とても信じられないといった男性の口調であった。

その予算は、私たちが普段建てている30坪程度の新築住宅の半分くらいの金額であった。
もちろんリフォームとしては決して安い金額ではない。
しかし、リフォームの予算組ほど難しいものはない。
耐震改修をして、断熱補強をして、水回りを新しくして、使いやすいようにプランニングを変更して、などとやっていくとあっという間に新築住宅を建てられるのではないかというような金額になってしまう。
この家に関して言えば、リフォームをしなくても住むことはできる。
要するに、手を付ける度合いによって0円~新築を建てることのできるくらいの費用まで、その予算は設定次第である。
要はどこまで手を付けるかの線引きを、明確な基準をもって決めていかなければいけない。
もちろんそれは設計者だけで決められるものではない。
住み手の予算や、今後の生活、ライフスタイルを含め、お互いに納得の上で一つ一つの仕様やリフォーム箇所を決めてゆく作業になる。
Z工務店の出した見積もりは、Z工務店なりの性能や機能を踏まえたうえで、ここまでやれば納得していただけるリフォームになりますよという一つの目安だったはずである。
それが、予算をオーバーしてしまっただけで、おそらく、提案する側からすると、そこに打算や悪気はなかったと思う。
もしかすると同じ条件でやれば、私も同じような見積もりを作った可能性だって十分にあると思う。

「ところで、リフォームしてNさんが住むんですか?」
「いや、俺は家を持っている。」
「えっ、じゃ、誰が住むんですか?」
「この家は俺の実家なの。
 今は空き家になっているから、リフォームして娘夫婦に住んでもらおうかと。」

どんな人が住むか、何を望まれているのかわからないのに建物の提案は、私にはできない。
そもそも娘さんご夫婦は、このリフォームを望んでいるのだろうか。
私たちが提案しているような家づくりに一緒に参加していただけるような人たちなのだろうか。
不安が一気に募ってきた。

「それでは、ご提案の前に娘さんご夫婦に一度合わせてください。
 お話をして、ご要望を伺ったうえで、ご予算も含めて提案させていただきます。」
しばらく間があって
「それはそうだな。今度、娘夫婦を事務所に連れて行くよ。」
Nさんは言った。
「それと、うちのローコストは理由もなく安価なわけではありませんよ。
 現場で一緒にセルフビルドで体を動かしてもらわないと。」
笑いながら、冗談交じりに牽制を入れた。

僕はまだこの男性がどんな人なのかつかめないでいた。
初めて事務所を訪れた時の印象が強く残っているのかもしれない。

「それもいいんじゃないの。コストを抑えてやりたいんだから仕方ないよね。」
男性も笑いながら答えた。

つづく。

2018/01/15

2018年、新年あけましておめでとうございます。
という間もなく、早くも一月が半分終わってしまいました。
新年早々お引き渡しの現場が2件、三月竣工にむけて昨年末から始まっている現場が2件とバタバタと年越しと新年を迎えた感じです。

いろいろと紹介したい物件があるのですが、まずは昨年末に上棟した神奈川県横浜市片倉の家をご紹介します。
計画は旦那さんのご実家の横に建っていたおばあさんの家を解体し、新築を建てます。
横浜市ではありますが、道路を挟んだ敷地の斜め向こうには、キャベツ畑の広がるどこかのんびりした雰囲気の残る場所です。

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設計当時は、まだ存在していたおばあさんの家で打ち合わせを行いました。
そしてそのお宅の配置、見える景色などを参考に、どの位置に窓を取ればキャベツ畑の景色を気持ちよく取り込めるか、隣地の隙間をぬって光や風を取り込むことができるか、隣地であるご実家との関係などの検討を行いました。
おかげで、建物の位置関係、窓の配置などは建ってみても想像通り、とてもうまくいきました。

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また外壁は、現在お住まいの都内住宅地を
「このお宅の外壁はなんという素材ですか?」
「このお宅の雰囲気好きですねー」
などとお施主さんと話しながら、ぶらぶらと何度か散歩し決めました。

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ガルバリウム鋼板の小波板です。
一見、昔の倉庫や物置に使われていたトタンのようですが、建物の角がすっきり収まるようにコーナー材を入れずに折り曲げて納めていることや、
7Mもある長い一枚ものの材料を取り、一階と二階の間に継ぎ手を作らないように工夫することで、シャープな外観を作っています。
また、バルコニーの手摺を木製とすることでアクセントとし、シャープな中にも柔らかさのある外観を計画しています。

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内装はまだまだこれからですが、すべての壁・天井が漆喰のセルフビルドです。
吹き抜けの勾配天井などもあり、本当にすべてできるのか不安もありますが、セルフの際は多くのお仲間が集まり、楽しそうな現場になりそうです。

2017/12/29

受け継がれる家 ‐3‐

「先日の男性、また来られましたよ。」
現場から帰ってくると、スタッフの堤君に声をかけられた。
先日の男性・・・
「ちょい、ちょい、手招きの男性です。」
「あー。
もしかしてまた手招き?」
冗談交じりに聞いてみた。
「そーなんです。また道路から呼ばれました。」
先日の一部始終を傍らで見ていた堤君は、苦笑いをしながら答えた。

話を聞くと男性は、町田分室事務所の近くに古家をもっているそうだ。
植木職人をしているという男性は、仕事で付き合いのあった工務店にリフォームの相談をしたが折り合いがつかず、いつも前の道を通っていて、気になっていた私たちに声をかけたという。

「ところで、折り合いのつかなかった工務店ってどこなの?」
「Z工務店らしいですよ」
Z工務店・・・
それは、近所の老舗工務店だ。
何代も続いているその工務店は、とても立派な構えの事務所、材木置場、モデルルームを持ち、茅葺屋根の古民家をリフォームしたギャラリーまで併設している。
大工などの職人も多数抱えた、見るからに伝統のある工務店にかかわらず、設計事務所でデザインの勉強した後、跡を継いだという社長は、現代的な視点も持ち合わせている。

何を隠そう私は、町田事務所を始める際、まずZ工務店にあいさつに行った。
川口本社で働いているころから、意識していたというか、あこがれていたと言った方が正しいその工務店の傍に、偶然にも事務所を構えることになったからだ。
気持ちは戦線布告、態度はお近づきになれたらという感じで、出来たばかりの町田分室事務所の写真の入ったパンフレットをもって。

「シンプルだけど、かっこいい事務所だね。」
パンフレットを見たZ工務店の社長は言った。
Z工務店の社屋に比べれば、町田分室事務所は掘立小屋のような建物だ。
町田分室を設立する際、その事務所の設計も私に任された。
何もないところから始めるので、事務所はなるべくローコストで建てよう、そうでありながら、これから一緒に家を建てようと思う人に参考になるように。
ご近所の人に、その楽し気な雰囲気が伝わり、ここに工務店ができたことに興味を持ってもらえるような、
そんな、私たちの家づくりを体現しているような事務所にしたいと思って設計した。
その意図が写真から、Z工務店の社長に伝わったかどうかはわからないが、
きっとダンディーとはこういう人のことをいうのだろうと思った。

「また何か一緒にできそうなことがあったらやろうよ」
一通り話をした最後にそんな声をかけられ、その場を後にしたことを覚えている。

その後、Z工務店の社長とは、工務店の集まる会合などで何度かお会いし、軽く話をしたが、仕事で一緒になることはなかった。
通常、注文住宅を検討しているクライアントは、興味のある設計事務所なり、工務店を探し出し、何社かの提案を受けて一緒に家づくりをする相手を決める。
ここで言う仕事で一緒になるということはそういう相手になるということである。
本来ローコストをうたう私たちと、Z工務店ではそもそも土俵が違うのだろう。

そういった意味で男性からZ工務店の名前が挙がったのは意外であった。
きっと前回訪問してから、私たちのことを少しは調べただろう。
そして、堤君が、現在責任者が留守であることを伝え、次回一緒にリフォーム物件の現場確認を行う旨を伝えると、男性は今度は連絡先を残して帰って行った。

つづく

2017/12/06

3年前に完成した、横浜市港北区にある大倉山の家のお施主さんから、
子供たちの勉強机を作ってくれないかと依頼がありました。

勉強机・・・
設計したことも、作ったこともないな・・・
しかも普通に僕が設計しても面白くないよなー。

ということで、社内でコンペ形式にすることにしました。
私、大倉山の家を担当した堤君、当時入社したばかりの水原さん、お施主さんの要望を聞きながら三者それぞれが設計し、
図面と模型を製作。

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そして、お施主さんのもとへ。
もちろん、名前は伏せて。

何も聞かされていなかったお施主さんはびっくり。
えっ・・・こんなにあるんですか?
悩むなーーと

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そして数日後一枚の写真と一緒に結果報告が。
結果は、大倉山の家を担当した堤君の設計が採用されました。
うーん、やはり長く現場でともに過ごして気持ちの通じる部分があったんだろうか。
私なんか、インチキして2案もつくったのに・・・

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これはその後、段ボールでモックアップを作り、サイズや高さなど詳細を詰めている様子です。
念入りです。

制作は、当時現場を担当してもらった小形大工さんにお願いしました。
結局完成には、お願いされてから、5か月の歳月が・・・
それでも、おとどけした際には笑顔で迎えていただき、大変喜んでもらえたとのこと。

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家が完成した後も、こうして何かを依頼されたり、一緒にご飯を食べたり、家づくりが逆に長いお付き合いのきっかけになるような
それが楽しくて僕たちはこの仕事をしているのかもしれません。

こーちゃん、ケイちゃん、しっかり勉強しろよ。

2017/10/06

住まいの設計の最新号が送られてきました。
3月末に完成した、玉川学園の家を掲載していただいています。

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取材時の風景。

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カメラマンやライター、編集長まで来ていただいて、紙面の構成を考えながらの撮影と取材になります。

「じゃ、次は黒板塗料を塗った壁に、お絵かきしている写真を撮ろう!
 いーね、いーね。上手だねー。」
 カシャ、カシャ、カシャ。

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そんな感じで進められてゆきます。

取材に立ち会った私はといえば、ライターさんやお施主さんと、家づくりの思い出話に花を咲かせていました。
出会ったころから、設計時、施工時、セルフビルド等々、
そして、その後の住みごごちまで。

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「そうそう、そんなことありましたねー」
ということから
「あれっ、そんな不安があったんですかー??」
ということまで。

こうして振り返ると、家づくりには本当にいろいろな出来事とストーリーがあるんだと改めて気づかされます。
もちろん、それは玉川学園の家に限ったことではありません。
今回はたまたま、新宿にあるリビングデザインセンターOZONEさんからの紹介ということもあり、そのつながりで
取材をしていただきました。
しかし、これまで手掛けてきたどの家にも、それぞれにご紹介したいストーリーだらけです。
メディアにはその時々の特集やテーマがあるので、なかなかすべて取材というわけにはいかないのが本当に残念です。

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先日から、この日記に現在進行中のリフォーム工事を「受け継がれる家」としてお話仕立てで紹介し始めました。
家づくりって、こんなにいろんなことをみんなで考え、手や体を動かし、
いろいろな出来事の積み重ねで出来ていくんだ、ということを少しでも伝えられればという思いと
そうした話を記録に残しておいても良いかなという気楽な気持ちから、お施主さんの了解も取らずに勝手に始めました。

まあ、うちのお施主さんはみんな心が広いので大丈夫だと思いますが、
私が気まぐれな性格なので、最後まで続くかのほうが不安ですが・・・


2017/10/02

受け継がれる家 -2-

ますいいリビングカンパニーは、工務店機能を備えた設計事務所とうたっている。
お客さんのご要望に応え、それぞれのライフスタイルや家族構成、これからの生活をイメージし、世界に一つだけの家を丁寧に設計する。
そのうえでクライアントの予算に合わせ、既成概念にとらわれず、なるべくローコストで提案することを得意としている。
ローコストとは安売りのことではないと僕は思っている。
それぞれのクライアントにとって、コストをかけるべきところ、かけなくてもよいところを話し合い、明確にすることで無駄な部分を省き、メリハリをつけることを大切にしている。

営業に費用をかけないこともそのひとつだ。
営業を担当するスタッフはいないし、ゴージャスなパンフレットやモデルルームなどもない。
そうしたものの製作費や維持費は、クライアントの住宅を建てる費用に、当然上乗せされる。
純粋にクライアントの予算は、その家を建てるための費用に使いたいと思っているし、そしてクライアントも私たちも納得いく建物が、納得のいく金額で建てられること、その積み重ねが一番の営業だと思っている。
出来上がった住宅やその生活をホームページで紹介し、雑誌などのメディアで取り上げてもらえることで、地道な取り組みは次へつながっていく。

そもそも、たくさんの仕事が来ても、この仕事のやり方ではできる数には限界がある。
それくらい手間のかかる、非効率的なことをしているといつも思う。
家を建てようと思う人ももちろんそうだと思うが、私たちも、この家族のために家を建てたいなと思う人の仕事を時間と手間をかけて丁寧に作っていくことが理想であるし、今は理想に近い仕事ができているのではないかと思っている。

つづく

2017/09/28

受け継がれる家 -1-

ある日、一台の軽トラックが事務所の前に停まった。

事務所は一方を駐車場、三方を道路に囲まれた中州のような場所に位置している。
三方の道路のうち、建物北西に直交する2つは、左程大きな道路ではないが、幹線走路への抜け道となっていて、比較的交通量が多い。
残りの北側に接する道路は、その向こうに建ち並ぶ4件の住宅のために作られた袋小路状の道路で、使うのはそこの住民か、僕たちに用のある気の知れた仕事仲間たちである。

歳にして50半ば過ぎくらいだろうか。
見たことのない一人の男性がその道路に停められた軽トラックから降りてきた様子が、打ち合わせをしていた僕の目に、窓ガラス越しに入ってきた。
男性はこちらに気づき、軽トラックの脇で、ちょいちょいと手招きをしている。

「ちょっと、すみません。」
クライントに一言かけ、
「お客さんが来てるよ」
と横にいたスタッフの関野さんに声をかけた。

関野さんは、ガラガラと無駄に大きく設計された引き戸を開け、庭を抜け、道路で待つ男性のところへかけて行った。
1,2分くらい話していただろうか、しばらくして男性は軽トラックに乗って帰っていった。

「誰だったの?」
打ち合わせを終えた僕は関野さんに話しかけた。
「よくわかりません。
何をしている会社か聞かれました。
設計と施工を行う工務店だと言ったら、何が得意か聞かれたので、手をかけて丁寧に設計した住宅をローコストで提供しています、と答えました。」
「で?」
「パンフレットないのかって言われたので、そういったものは作ってないので、ホームページを見てくださいって名刺を渡しました。」
「それで?」
「そんな対応じゃ、お客無くすよって、名前も名乗らず帰っていきました。」

なんのゆかりもない土地である町田に分室という形で事務所を構えて5年が過ぎた。
なぜ町田かとよく聞かれるが、それは埼玉県川口市にある本社からの距離と,都内へも多摩地域へも横浜方面にも行きやすいという立地を踏まえた実益を考えてのものだった。
設立当初は、平屋で外壁の半分がガラス張り、掘立小屋を作るような材料を組み合わせた変わった建物の物珍しさに、通りかかりの人に良く話かけられた。
中には仕事の相談をされることもあったが、通りがかりで頼むには住宅はあまりに高価な買い物だ。
今でも、そうした飛び込みで話しかけられることはぽつぽつあるが、敷地にも入らず、道路から「ちょいちょい」と手招きで呼ばれたことは初めてであった。
打ち合わせをしていたこちらに気を使ってのことかもしれないが、なんとなく良い気はしない。

恐らくそっけなく映った僕たちの対応に対して、きっと相手も同じことを思っただろう。

つづく

2017/09/22

東京都世田谷区桜丘で新築工事が進行中です。
この家の特徴はなんと言っても細長い。
建物の幅は4Mありません。長さは13Mほど。
4件住宅の立ち並ぶ通路の一番奥、細長い土地に目いっぱい計画しています。

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敷地の3方はみっちり住宅に囲まれていますが、東面は農園になっていて、大きく開けています。
現状は開放的な東面ですが、将来、建物の建つ可能性も考慮し、2階LDKには南東にバルコニー、中央の吹き抜けを利用して北面にハイサイドライトを設置しています。
建物形状と同じく、細長いLDKの奥に、北側の安定した採光を確保すると同時に、南からの風がハイサイドライトから抜けてゆく計画です。

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また、この家のもう一つの特徴は、「図書室」と呼ばれる部屋があることです。
本好きのご夫婦は、どこにいても本が手に取れるようにと、各所に本棚を設置していますが、玄関を入って右手側には長さにして6M、天井までいっぱいの間仕切り本棚を設置します。
玄関側からも使え、その向こうの細長い部屋からも使用できる、背板のない本棚です。
そしてこの細長い部屋が、「図書室」と呼ばれる部屋です。

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設計当初は普通に壁があり、細長い部屋は「子供室」という名前がついていました。
きっかけは、設計打ち合わせ中に奥さんの漏らした一言。

「子供には、いつまでも実家にいつくのではなく、時期が来たら早めに独立してほしい。
 快適な子供室なんていらないんじゃないか。
 図書室のような部屋を、必要に応じて子供に貸してあげる、そんなイメージがいいな。」

この言葉を聞いて、壁はオープンな本棚となり、室名は「図書室」となりました。

大きさも、形状も変わらない、ただの呼び方ひとつで、部屋の使い方のイメージは大きく膨らみ、
それと同時に、お施主さんの描いている生活を本当に形にできているのだろうか・・・
という、当時、私の持っていた漠然とした不安が一気に吹き飛んでいったような気がします。

住宅を設計していると、子供室に対する考え方は本当に人それぞれだといつも感じます。
4.5畳とか6畳くらいの収納付きの個室が必要といわれる方もいらっしゃれば、2~3畳くらいのスペースに寝台列車のようなベットと最低限の机、収納スペースがあれば良いという方まで。
それは、ご夫婦の子育てに関する考え方や、自分たちの実際に育った住宅や環境が大きく影響しているのだと思います。
もちろん、正解などありません。

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二歳になった、やんちゃ盛りで、いつもかわいい、まーちゃんとお施主さんご夫婦がこの部屋をどのように活用してゆくのか、今から楽しみです。

2017/08/21

神奈川県横浜市金沢文庫の家の大工工事が進行中です。

実は、お施主さんと初めてこの敷地を訪れたのは、一年半ほど前。
敷地を訪れてびっくり、敷地の南東二面は角度にして60度近くの崖になっています。
崖下に広がる住宅地との高低差は30M以上。
確かに、見晴らしは最高ですが、果たしてここに家を建てることができるのだろうか・・・
地震で転がって、30M下に家が落っこちるなんてことにならないだろうか・・・
そもそもこの崖、崩れたりしないのだろうか・・・
不安は募るばかりです。

地盤調査を行い、何度か、役所に出向いて話を聞き、
何だかんだ私の経験不足もあって、一年以上も設計期間をいただいてしまいました。

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(ダンプの先と写真右手が崖です。)

そもそも、この敷地、安全に家を建てられるのも、泥岩と言う泥が固まったような岩でできているからです。
硬い岩山だから崩れないでしょう、ということですが、
いざ基礎工事で土を掘ろうとすると本当にかっちかち。
掘るというよりは、少しずつ砕いていく、基礎業者もはじめての難敵に四苦八苦。

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ようやく上棟にこぎつけた次第です。
さて、当の設計はというと、この自然に負けないくらい力強い空間が作れないかと、ほとんどの柱や梁、屋根垂木が化粧で見えてきます。
計画自体はすごくシンプルなプランですが、これほど大工泣かせな構造はめったにありません。
だって、普段は隠れてしまう屋根の加工や柱・梁すべて見えてくるのですから。
どこも手を抜けません。
何十本とある大きな垂木もすべて手で刻んでゆきます。

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本来なら仕上げ工事で作成する本棚も、化粧の構造材と絡むため、外壁下地と一緒に作っています。
こちらも、縦地をたてないために、一本一本の間柱を彫り込んで、棚板を差し込んでいます。

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そのうえ、構造を見せるために、断熱はすべて外断熱です。

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大工さんの仕事ぶりには、本当に頭が上がりません。

そして、上棟式を開いていただいた際、お施主さんが、
家を建てはじめる前に一年を通してこの敷地の四季を感じ、設計に生かされたことが良かったと
思いもよらない言葉を。
本当にお待たせしてすみません・・・
と思いながらも、施工中から良い家になることがビンビン伝わってきます。

現在は、南東の崖に向かって連窓として大きく開かれたサッシを取り付けています。

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そう、すべてはこの景色を取り込むために。
この場所にしか、建てることのできない建築を作るために。

2017/08/19

お盆休みは、島根県の実家へ里帰り。
お墓まいりの帰り、

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住んでいた頃は(といっても高校を卒業するまでですが)、なんとも思わなかった風景が、
離れてみると、赤い瓦の街並み、緑の山、青い空、味わいのある風景だと気がつきます。

「民家はキノコである」

ある著名な建築家の言葉です。

すぐれた民家は豊かな風土の中に作られる
きびしい風土は住まいにきびしい表情をあたえる
だから民家は正確には建築ではなく
自然の一部だとおもう

とのことです。

独特な色をした赤褐色の瓦は、石州瓦といい、室町時代から江戸時代にかけて生産が始まったと言われる
伝統的な地産品。
高温で焼くために凍害に強い特徴を持ちます。

地元の土や釉薬を使って、工夫を重ね、当然の様に作られた民家と街並み。
まさにキノコのようなもの。

旧市街地では、まだ普通に残るこうした街並みですが、少し郊外に離れると、日本中どこに行ってもあるような、まるでマッチ箱を並べたような造成地がぽつぽつとみられるようになりました。
グローバルといえばそれまでですが。

住宅は、個人が資産を使って建てる建物です。
日本ではその土地も個人のものです。
法律はもちろんありますが、どんな建物を建てるかは、基本的には建てる人の自由です。
だからこそ、建て主や私たち設計者は、それが街や周りの人の資産でもあることを忘れてはいけないような気がします。
そうしないと日本には本当に街並みと呼ばれるものが消えてしまうかもしれません。

なんとなく、そんなことを考えさせられたお盆休みの一コマでした。

2017/07/17

横浜市港北区で進行中の綱島の家は、セルフビルドの佳境を迎えています。
内外装の塗装工事、壁の漆喰塗り、タイル工事とその内容は盛りだくさんです。
毎年のことながらこの猛暑の中、連日作業をされているお施主さんには頭が下がります。

漆喰のための下地のパテ処理をしていたところ、外水道で手を洗っていたお施主さんの奥さんは
「クロス屋さんですかー?(暑い中たいへんですね・・・)」
とご近所の方に声をかけられたと、茶目っ気たっぷりに笑わせてくれます。
大変な中でも、楽しみながら作業をされている様子を見ると、ずっと大切にしてもらえる家が出来上がるんだろうなーと、
勿論、他人ごとではないのですが、思います。


さて、この敷地は四周を建物に囲まれています。
両隣り三階建てに挟まれた、谷間のような通路を通って建物にアプローチします。

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南側も三階建てのアパートが建ち並んでいます。
そのすき間をついて、小さな庭スペースをつくり、窓を取り、吹抜けをつくり・・・
光を取り入れ、風の抜ける場所をつくっています。

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玄関土間からつながるアトリエスペース、階段スペースと子供室をつなぐ書斎

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子供室から登り、リビングを上から眺められるロフト

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限りあるスペースの中で、個室の面積をおさえ、様々な居場所が程よい距離感で繋がっていることもこの住宅の特徴です。
都市の谷間のような敷地に、家族の気配をいつも感じられるひとつながりの家がもうすぐ完成します。

2017/06/26

また、また、久しぶりの更新となってしまいました。
あまりに音沙汰なく「町田分室、大丈夫か」と不安に思われている方々・・・
大丈夫です。
沢山の面白い物件が進行中です。
ご紹介したいのですが、まずはホットな話題から失礼します。

先週末、4月まで一緒に町田分室で働いていた中村君の結婚式に堤君とともに出席してきました。

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会場は中村君と奥さんの地元の京都。
学生時代からお付き合いしている二人は、地元の学校を卒業し中村君が就職とともに町田にやってきてから4年間は遠距離恋愛でした。
もとより、奥さんと約束したこちらでの修行期間を経て、めでたく地元に帰っていきました。
最後の最後まで、こちらの物件に一生懸命だった中村君は、とうとう地元での就職活動も全くできず、かえってからも結婚式の準備に忙しかったようで、いまだプータロー(本人曰く、来週には決まるとのこと)です。
男性の寿退社ってのものあるんだなーと職人さんや担当したお施主さんと笑っていた次第。
当の本人は全く気にも留めていません。

さてさて、その結婚式。
私も、この年になると、結婚式に招待いただくこともだんだん少なくなってきます。
しかし、結婚式に参加するといつも思うことがあります。
それは、普段一緒にいる親しい人も、僕が見ているのは実はその人の多面的な面の一角なんだなということです。

結婚式には多くの方々が参加されます。
その人たちの振る舞い、一緒に過ごした時間の話などを聞いていると、こんな風に育って、出会いがあって、今の彼が形成されていったんだなと勝手に感慨深くなってしまいます。
ありふれたいわれ方かもしれませんが、周りの人々が本人を写す鏡のような存在です。

ジョン・レノンもびっくりの口ひげを蓄えたお兄さんの軽快なトークと乾杯から披露宴は始まり、
お父さんによる、「未来予想図2」の弾き語り。

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最後、親族代表のあいさつにまで、小ネタがはいります。
それを支える、元気なお母さん。
友人も、素直で楽し気な人たちばかりです。

中村君って、小学生の様にまっすぐで(町田の事務所の一角に4年間住んでいたほど)普通の人から見るとちょっと変人?
という感じですが、納得。納得。
むしろ、この中では普通かも・・・
と思えるほど楽しい人たちばかりです。

二次会からは、中村君より一足先に大阪に帰ったOG関野さんも駆けつけ、同窓会の様に。

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関野さんも夏に結婚を控え、今は一級建築士目指して猛勉強中?の様です。
町田分室が始まって間もなくから、支えてもらった二人がいなくなってしまったことはさみしいですが、
また、この仕事を続けていれば、また何か一緒にできることもあるかもしれません。

活躍を期待しています。
お互い頑張りましょう。

2017/03/12

いつの間にか、春がすぐそこまできています。
つい、この前お正月だったのに・・・
一年が過ぎてゆく速度が毎年更新されている気がします。
もれなく今年も最速の一年になりそうです。

さて、年明けに完成したリフォームの物件を紹介します。

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中古住宅を売り出すにあたって、すべてリフォーム済みだった今回の物件。
その計画は、キッチンの制作や和室を洋室に変えて上部に吹抜空間を作るなど。
新しいキッチンや畳を撤去することは、お施主さんにとっても私たちにとっても違和感がありましたが、仕方がありません。
ものがいらなくなるとき、それは壊れてしまったとか、古くなって使えないとかよりも、愛着の持てなくなったときが一番多いのかもしれません。
長く愛されるもの、たとえ持ち主が変わったとしても魅力的と思ってもらえるもの、そうしたものを作り、残してゆくこともひとつのサスティナビリティーなんだと痛感させられます。

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今回作ったキッチンはモルタルキッチン。
ますいいでは、よくやられているキッチンですが、私が作ったのは入社二年目で作って以来2作目。
実に十年ぶりに制作しました。

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今回は、アイランドカウンターと壁にもモルタルを塗り、とても雰囲気のあるキッチンになりました。
入居後お邪魔すると、お施主さんの集められたこだわりの食器や調理器具と調和し、とても素敵な雰囲気です。
作家さんが手作りで作られたこれらのキッチン用品と左官屋さんが二日がかりで塗りつけたモルタルキッチン、それぞれ職人としての思いが伝わってきます。

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もともとの和室の上部は吹き抜けに

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室内は塗装工事や家具の制作など、まだまだやりたいセルフビルドが盛りだくさんだそうです。
完成写真は一通りセルフビルドが終わってからということで、今回はスナップ写真だけの紹介です。
Sさん、完成楽しみに待っています。

2016/12/17

町田分室から程近く、依頼されているリフォーム工事の現地調査に行ってきました。
その模様は、後日ご報告しますが、その帰り道、

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道路に落書きが。
最近、見ることの少ない落書き、ふと先をみてみるとさらに続きがあるようです。

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坂道を下りながら続く落書き

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きちんとマンフォールはよけられ

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カーブを曲がってまだまだ続く。

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やっと犯人たちが見えてきました。

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きっと、楽しいだろうなー、子供ってうらやましいなと思いながら、
どこまで続くかわからない線を追いかけて、この先どうなっているんだろうとウキウキしているわたし。
路地状の坂道の持つ魅力、きっとそういう場所の持つ魅力が生活を豊かなものにしているんだと気づかされるひとときでした。

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