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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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増井真也日記

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2021/04/14

二日目、朝方葬儀場に集まった後に告別式をお取り行った。今日は臨済宗建長寺派長徳寺のご住職に来ていただいた。式が終わると新しく川口市に出来ためぐりの森という火葬場に移動。この火葬場は伊藤豊雄さんが設計をした建築で、池に面したガラス張りのホールが印象的な建築である。約2時間の時を過ごし、再び葬儀場へ。そして精進落としを済ませ終了である。なんだかあっという間に過ぎていった二日間だったけれど、何となく改めて家族の大切さなどを感じたひと時であったと思う。こういう気持ちにさせてくれたおばあちゃんに改めて感謝したい。

2021/04/13

今日は祖母の通夜、こんな時期なので身内だけの葬儀とした。15時ごろ納棺を行うというので、その前に茶道の稽古に行った。何となく仕事をしている流れを一度断ち切って、亡くなった祖母に濃茶を一服ささげてから通夜に行こうと考えたのだが、そんな僕の考えをくんでくれた先生は真の行台子のお稽古を勧めてくれた。このお点前は奥伝と言われるものであんまり思い付きでやるようなものではないのだけれど、でもこういう時だからと言う事であえて選んでいただいたのかなあと真剣にお点前をさせて頂いた。約1時間の正座である。僕のような凡人にはそれだけでも苦行、さらに奥伝となると集中せざるを得ない。でもそれがいいのだ。

何となく心を落ち着け、15時過ぎ葬儀場に着いた。納棺など初めての経験である。緊張の中指示を受けながら棺に納めると、改めておばあちゃんが亡くなったんだなあの実感がわいた。98歳、施設に入ってからはあんまり会う事もなくなってしまっていたが、僕が小さなころは鋳物屋の娘らしく、日本舞踊を教えたりの活発な人で、いつも人が周りに集まっていて本当に気丈で優しい人だったことを思い出した。小学生のころまではよくおばあちゃんの家に預けられたから、一緒に食事をしたりの夜も多かった。昔の女性の風習だろうか、おじいちゃんが食事を終わるまでは席に着かずに何かを造り続けていて、僕達が食べ終わると自分はさっと食事を済ましている様子が今でも目に焼き付いている。

18時ごろになると親族が集まってきた。久しぶりに見る顔ぶれに懐かしさを感じる。こんな時にしか会わないひともいるけれど、こんな時に会っていればお互いの安否の確認位はできるものだ。冠婚葬祭を行うことはそういう意義もあるのだと思う。親戚が集まると機械屋さんやら木型屋さんやら、とにかく職人ばっかりである。やっぱり僕は鋳物の街の生まれなんだなあと思う。そして何の因果か僕もモノづくりをやっていることに運命的なものを感じたりもした。

式が終わり、皆が帰りだす。最近は朝までお線香・・・ではないらしい。僕たちも葬儀場を後にした。明日は告別式、寂しさとなつかしさを感じつつ、家路についた。

2021/04/12

夕方、新人大工の石井君来社。ますいいには5人の大工さんが家づくりをしてくれているのだが、ついに全くの初心者の大工さんが登場しそうだ。石井君は21歳、小さいころから大工さんにあこがれていたこともあって、大工さんになりたいと思ったそうだ。僕は大工ではないから石井君に技術を教えてあげることはできないけれど、ますいいにいる大工さん達なら教えてあげることが出来る。だから石井君を採用することにしたわけである。

僕が自社大工さんの組織作りを行い始めたのは5年程前からである。それまでは手間請け大工さんに大工工事を発注していたが、そうすると職人さんたちは手間の請負会社の社長さんに天引きされたお金しかもらうことが出来ない事になる。請負会社の社長さんたちの言い分も解る。だって毎日の仕事を保証したり、車などの経費の分を指し引くことは当然だからだ。本当にその分だけの差し引きだったら良いのであるが、でも本当にそれだけかどうかが問題なのだ。また、短期的な利益追求の姿勢は効率重視の物づくりを推進する事になる。そうするとどうしても既製品の取り付けだけをするような人が増えてくることになる。無垢材なんて・・・、こういう発言をする大工さんを見ると僕はちょっと悲しくなる。だって自分自身で自分の価値を下げているのだ。そしてそういう親方がいる工務店にいたら、弟子だってそういう考え方になってしまうだろう。

大工さんを育てたい、この夢を果たす初めの一人になってくれるかもしれない青年に大いに期待したいと思う。そして出来る限りのことはしてみようと思う。実際にものを造る人を一人でも豊かにすることは、良いものを造ることにきっとつながると思うのだ。

2021/04/11

朝一番で神奈川県川崎市にある川崎大師様お参り。今日は御供茶式に裏千家のお家元がいらっしゃると言う事で参列した。コロナで1年余り茶道の大きな行事はなかったのだが、久しぶりのこのような場で何となく落ち着かない。いつもよりも人数が少ないように感じたが、ほかの県からの茶道関係者の招待をしていないということだから、いつもより半分以下の人数で執り行っているのだろう。本堂に入り開式を待っていると、大勢のお坊さんと一緒にお家元が入場された。本堂の中も密を避けるためにある程度の距離を保って座っているから、いつもより何となく広々としているように感じる。そしてその状況こそが実は適正の状態なのではないかと感じたのである。

僕はもともと大寄せの茶会よりも少人数の席の方が好きだ。大寄せの茶会はひどい場合入りきれないお客様を廊下に座らさせたり、もっとひどい場合は水屋の入り口を入ったところに座らされたこともある。そういう場所に座っていると、たまたま僕の前に座った人が「こんなことしているから茶道っていやなのよね・・・」、の陰口だって聞いたこともある。そりゃそうだ、だって1万円近い茶券を買って同じお金を払っているのに、たまたま自分がその順番で席に入ったからと言って廊下に座らされたら、だれだっていやな気分になるだろう。

1. 茶は服のよきように点て
2. 炭は湯の沸くように置き
3. 花は野にあるように生け
4. 夏は涼しく冬暖かに
5. 刻限は早めに
6. 降らずとも傘の用意
7. 相客に心せよ

これ利休七則と言って、僕たちが基本とする考え方、規範である。でもこれ大寄せの茶会だとなかなか実践することは難し。だって一日に10席、一度に50人!!こういう茶会ではお茶を出すだけで全力疾走状態だ。多くの場合一席当たり30分程度で進める事になっていて、席と席のあいだは15分程度しかないことが多い。しかも6席目くらいになってくると、だんだんと疲れが出てきてしまい、どうしてもお客様第一の意識が低くなってしまうのだ。今日はいつもの半分くらいの人数だった。でもそこにいる人たちを見ているとそれが丁度良いような感じがした。コロナを経て、いろいろな物事が変容しようとしている。茶会もその一つかもしれないなあと思ったのである。

2021/04/10

15時、東京都中野区にて進行中のIさんの家とSさんの家の上棟式を行った。IさんとSさんの奥様のご両親が暮らしている一つの広い敷地に建っていた古い建築を取り壊し、そこに二つの住宅を造るというプロジェクトである。一つは2世帯住宅、もう一つは単世帯住宅、二つの住宅に挟まれたスペースに造る庭は一緒に使うようになっている。集まって住む、まさに大家族住宅なのである。

現場に付くとまずは棟飾りの組み立てである。広い方の住宅のリビングにはテーブルが組み立てられている。その正面に棟飾りを仮置きし、飲み物などの準備をして開式をした。初めに家の四方に米、塩、酒を撒いて清める。続いて簡単に祝詞を奏上し、ご挨拶、乾杯と会を進めていった。お酒は飲まずとも、約1時間和やかに過ごすことが出来た。大工さんもだれのための家づくりをしているかがわかることでやる気も変わるというものである。せっかく注文住宅を建てるのだから、こういう儀式もやっぱりやる方が良いのである。

2021/04/08

朝10時、隣家の火災のもらい火で被害を受けてしまったMさんの家の火災保険調査の立ち合い。僕の見積もりは壁の内部に放水時の水が回ってしまったこと、表面を高温でさらされてしまったことでモルタル下地からやり替えた方が良い事、また屋根に大量の火の粉を被ったことで屋根の吹き替えをした方が良いことを考慮した計画を作成したのだが、果たして保険会社さんがどの様に判断をするかはまだわからない。概ね同意をしてくれていそうな感じはしたのだけれど、でもやっぱり査定の後に金額が満額出るかどうかはやってみないと何とも言えないところであるのだ。

火災による被害というのは自己責任、つまり自分の火災保険によってしか保証されない。交通事故などの場合はあくまで責任のある方が入っている保険から補償金が払われるのに何で火災保険はそうではないのだろう。日本には失火責任法という法律があるらしく、火災の場合には火を出した人も責任を負う必要がないらしい。確かに火災による損害賠償となると相当な額になるであろうから、こうでもしない限りどうしようもないのであろう。

14時、埼玉県川島町にて新築住宅兼皮工房を設計中のNさんご夫妻打合せ。プランニングがだんだんとまとまってきたところで、内外装のイメージなどについてのすり合わせを中心にお話をした。住宅の一つの形として、職住一体型の暮らしかたというものがある。この工房兼住宅も同じだが、日々の暮らしの中に自然に職というものが入り込んでいるというのはとても自然な形だと思う。最近ではテレワークが普及してIT系のお仕事の方もこの職住一体の暮らしになっているようだが、通勤の為に長い時間電車に揺られる必要もない暮らし方はとても快適な物だろう。プライバシーをどのように確保するかなどのプランニングの要点を抑えつつ快適に暮らすことが出来る建築を造り上げたいと思う。

2021/04/07

午前中、東京都豊島区にて子供室の増築を検討中のNさんの家現場打合せ。1階にある寝室の隣に6畳ほどの部屋を増築したいとの事である。増築の場合、確認申請が必要となる場合とそうでない場合がある。防火や準防火の規制がない地域では10㎡に満たない増築であれば確認申請の必要はないとされているのだけれど、今回は準防火地域なのでたとえ1㎡であっても確認申請をしなければいけない事になっている。増築する場合にはもともとの既存建物がきちんと法律に沿って作られているか、つまり完了検査を受けているかどうかが槍や視差の一つの目安となるのだが、もしもそうでない場合には法律に沿っていない部分を改めるなどの対応を求められる場合があるので協議が必要だ。

最近はコロナによる影響で在宅の時間が伸びたことから、増築のご相談を多く受ける。確認申請審査機関も結構柔軟に対応してくれるので建蔽率がオーバーしてしまうというような致命的な場合を除けば、基本的に申請も通りやすくなっているような気がする。そもそも住宅というのは住みながらにして変化するものである。昔の家なんか平屋だったものがいつの間にか2階建てになっていたりの七変化が当たり前だったわけだし、場合によっては3階部分まで増やしてしまっているようなアクロバティックな事例だってあった。日本は地震国だからそれが良いとは言えないけれど、でも個人住宅の世界だけはそれくらいの自由が許されるべき領域であると思うのだ。

12時、構造家の名和研二さんと建築家の佐藤健吾さん来社。現在ますいいで取組んでいる川口市のプロポーザルコンペチームの初の打ち合わせである。ますいいのスタッフからは堀部君を加えて、総勢4名で最高のプロジェクトチームを立ち上げることが出来た。これから3年間にわたる長丁場のプロジェクトだけれど、じっくりと取り組んで街の記憶となるような建築を造り上げていきたいと思う。

2021/04/06

朝一番で埼玉県上尾市にて進行中のHさんの家の現場確認。今日は水道屋さんが排水の桝を設置する工事に立ち会った。Hさんは地元の農家さんのお嬢さんで、今回の計画では畑として利用していた農地の一角に家を建設する。普通は農地に家を造ることは出来ないのだけれど、農家さんのご家族は農家を営むために必要なので家を造ることが出来る事になっている。農地だから敷地は当然住宅地よりも大きいし、植木をたくさん植えることが出来る広い庭を造る事だってできるわけだ。この家は広い庭に対して、への字型に配置された木造2階建て住宅である。への字の真ん中付近にリビングを配置し、吹き抜けの部分に薪ストーブを設置する。ストーブの反対側には幅が1800㎜程の広い階段があって、階段がとても居心地の良い場となる事を想定している。2階のバルコニーからは屋根の上に出ることが出来るように階段をしつらえる予定だ。1寸購買の屋根の上で寝転がってビールでも飲もうかの楽しみを想像しつつ、工事がいよいよ本格的にスタートする。

2021/04/03

今日は栃木県の那須烏山市にある那珂川のベースキャンプにて、新しいスタッフの歓迎会を行った。僕が普段から趣味で行っているカヤックとバーベキューの二つのグループに分かれてのイベントである。ご家族や彼女等も参加しているので総勢35名ほどの大所帯となった。15時ごろにはカヤックを終えたメンバーも合流し、みんなが集まることが出来たので集合写真を撮影した。小さな子供がいるスタッフもいるのでこの時点で一度解散である。

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続いて第2弾、宿泊組によるキャンプ開始だ。今日は桜が満開、その木の下にテントを張ってのキャンプはとても気持ちが良い。僕たち以外に誰もいない、貸し切りのキャンプである。昼間は焚火をしなくともそれほど寒くない季節になってきたけれど、やっぱり夕方は少しひんやりするものだ。明朝はドラム缶のピザ釜でピザを焼いてみた。子どもたちがトッピングしたピザを窯に入れる事3分程、おいしいピザを焼くことが出来た。ドラム缶・・・なんとも野性的なピザ釜だけどとてもおいしく焼き上げることが出来ることは保証する。おそらくもっともお手軽なピザ釜である。興味のある方は挑戦してみてほしい。

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2021/04/01

14時、埼玉画廊の竹内さん来社。埼玉画廊というのは川口駅の目の前、元そごうがあったビルの2階にある画廊で竹内さんはその2代目に当たる。今日は地元の蒔絵作家さんの展覧会のご案内に来てくれた。埼玉県の川口市というところはもともとモノづくりの街である。鋳物産業が有名なことは多くの人が知っているけれど、それ以外にも様々なものを造る人がいる。この蒔絵作家さんは豊平さんという方で棗などの茶道具で有名だし、ほかにも僕の従弟のこまむぐさんのようにもともと木型屋さんだった技術を生かして無垢材のおもちゃを造っていたりする人もいる。渋い所では竹の釣り竿なんかも有名だし、機械加工などの技術は今でも相当高いものがあるだろう。この街に何代かに渡って暮らしている人は大抵何かを造って生きてきた人たちで、造る対象は変われどモノづくりの精神は脈々と引き継がれている。僕の親戚だって、祖父は機械職人と木型職人、従弟は機械職人とおもちゃ職人という具合なのである。

15時、埼玉県川口市の藤の市商店街にあるワイワイ広場さん訪問。ここはボランティアで運営されている子育て支援施設で、ママとお子様が集うサークルのような場所なのだけれど、公的な資金は一切ないとてもピュアな状態で運営されている施設だ。川口市ではこれまで多くの保育園や学童保育などを整備しており、同時に公民館を拠点とした子育て支援の窓口もあるのだが、こういう民間の施設には手を差し伸べられていないのが現状である。今日は川口市の市会議員さんお二人と共にこうした現状のお話を伺うと共に、将来の展望などについてのディスカッションを行った。行政の制度というのは国の方針などによって出来上がると、途端に多くの業者が参入してそのサービスを行うようになるという傾向がある。特に社会福祉の世界はこの傾向が高く、民間学童保育などもそうした手法で突然に増加した事例だろう。有志に近い志でスタートしたものがいつの間にか行政サービスの一端を担う出先機関のようなものに変貌する。こうして福祉の世界は構成されていくのだ。膨れ上がる社会福祉費、一方で社会のゆがみを直そうとする人たち、これをバランスよく解決するなど一地方政治家に出来るような優しい事ではないことは明白だ。まして僕のような民間人に出来る事などほとんどないのかもしれないけれど、でも少しでも良い社会を造るよう頭と体を動かしていきたいものだと思うのである。

2021/03/31

午前中、埼玉県川口市にてリフォーム工事を検討中のYさん打ち合わせ。Yさんは僕の子供たちが小学生の頃にお世話になったアート教室の先生で、この度老朽化した賃貸の教室の近くに中古の建物を購入し、そこをリフォームして教室に使用という計画である。建物は築50年以上たつなかなかに年季の入った建築だ。構造計算に基づいて緻密に建てられたというよりも、経験と勘に基づく手作りトラス柱・梁という代物であるのだけれど、その状況が妙に安定感があって面白い。きっと熟練の鉄骨職人の手によるものだと思う。外壁はリブラスにモルタル塗りという簡素なものだ。1階部分は倉庫のように使用されているので、もちろん断熱も入っていない。トイレに至っては扉もない簡易間仕切りの裏側に置いてあるだけ・・・、これはなかなか見ることが出来ないシュールな姿である。マルセルデュシャンの泉をほうふつとさせる感じにちょっと笑みがこぼれる、そんな感じかな。

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と冗談はさておき、これほど年季の入った建築を再利用する価値はある。大概の人は古いものをすぐ壊す。でも建築の魅力は古くなってからが本番だ。そしてその魅力は使い手によってさらに高みへと昇っていく。皆さんも新しいピカピカの施設を見て感動したことなんてほとんどないと思う。それよりも創意工夫してその人と建築がマッチして、ちょうどよい状態に磨きこまれている今のその瞬間に心を動かされる方が圧倒的に多いと思うのだ。

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この建物は入笠山にあった入笠小屋である。この小屋は詩人の尾崎喜八さんが戦火を逃れるために疎開したときに作ったとのことだが、しばらくは小間井さんという初老の主が宿泊客を迎えてくれた。

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写真のガラス張りのリビングは小間井さんの手によるセルフビルドだ。聞くところによると毎日、毎日セルフビルドでどこかしらを手直しし続けているということ。。周りを見回してみると、例えば杉の貫板という雑材料で窓枠を作っているところもあれば、本当にこれでよいの?と疑ってしまうような暖炉、連続してガラスがはめ込まれている普通に作れば多くのコストがかかりそうな羽目殺し窓が90角くらいの雑材でいとも簡単に作られている様子、どうやって防水しているのかまったくわからないような3階に作られた露天風呂、そしてそこに上っていくためのくねくねとした長い長い渡り廊下、ここには一般常識では考えられないような自由な建築があった。

日本の建築は高すぎる、これは歴然とした事実だ。この建築は小間井さんの手によって、法律も一般的な収まりもすべて無視した自由な作品である。そして、ものすごく安く作られている。虫が入ってきたり、隙間風が吹いたりの苦労は当然ある。しかし、肌寒い季節に暖炉に火を入れてゆったりとくつろいでいるとき、そんなことすら愛おしく思えてくるのだ。

この建築は小間井さんが亡くなる前に焼失してしまった。というより建物が燃えて、小間井さんが亡くなったんのだけれど、死期を悟った老人が燃やしてしまったのかなあと思うくらいに、小間井さんの人格と本当にマッチしている小屋だった。僕はこれ以上に素晴らしい建築と出会ったことがない。そしてこの建築はもう二度と見ることが出来ないのである。そして今回の工房もこんな風になれば良いなあと思うのである。

2021/03/30

午前中モキ製作所の坂本さん来社。2月にストーブを設置したことがご縁でますいいでもモキ製作所の薪ストーブを販売することが出来るようになった。

僕は住宅には重心があると良いと思う。重心というのは何かというと、どこにいても家族みんなの意識が向かう場所とでも表現するのが良いだろうか。多くの家ではこの重心にテレビがあるのだけれど、それだとやっぱりなんか物足りないわけだ。僕はそこにストーブがあると良いと考えている。人間は本能的に火に集まる生き物なのだ。炎を見ていると、何となく心や安らぐ。語らいの口調も和らいでくる。時がたつのも忘れて生まれるひと時、それこそ本当の家族の団欒と呼ぶべきものだと思うのだ。

ストーブを入れるかどうかは初めに決めた方が良い。ストーブにふさわしい場所を設計するにはやはり初めから決まっていた方がやりやすい。ストーブには薪ストーブとペレットストーブの2種類がある。薪が手に入るのであればもちろん薪ストーブの方が良いのだが、その入手が難しいなどの理由があればペレットでも同じような雰囲気は味わえる。薪ストーブに決定したら、次は機種の選定だ。輸入品の場合は鋳物製であることが多く、国産の場合は板金で造られていることが多い。これはストーブの文化の違いだと思う。

モキ製作所の様にスギやヒノキ竹といった日本で手に入りやすい樹種を燃やすことを前提として制作しているものもある。これはどのような樹種の薪が手に入りやすいかという問題と関連してくるが、もしも近所の山で薪を手に入れるなどというのであれば針葉樹の方が手に入りやすいかもしれない。ますいいでは建材の廃材を薪に使用しているので圧倒的に針葉樹の方が多くなるわけだ。
機種を決めたら煙突の出し方を決める。煙突の位置は機種によって異なるので決まったらストーブの図面を入手する。煙突は2年に一度くらいは掃除をしなければいけないので、屋根に上りやすいような設計をしておく方が後々の為である。あまりに急こう配で屋根の上に立つことが出来ないというような設計は避けるべきであると思う。

ペレットストーブの場合煙突というよりは、排気ガスを出すための管を壁から出すことになる。これは煙突ではないので、屋根の上まで上げるような工事は必要ない。こちらも定期的な清掃の為にテラスなどから手が届くところに設置することをお勧めする。これで僕が好きな家づくりの為のストーブを自分で販売することが出来るようになった。もちろんますいいの事務所でも実際に体験できるので是非ご覧いただきたいと思う。ちなみに上に載っているのはスノーピークのパーコレーターだ。これで入れたコーヒーが僕はとても好きだ。

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2021/03/26

朝10時、埼玉県さいたま市にて数年前に造った住宅のリフォーム打合せ。今年に入って2件目の子供部屋の間仕切り工事についてのご相談である。現場の状況は将来二部屋に分けることが出来るようにそれぞれのスペースに窓を配置し、コンセントやスイッチなども取り付けられているように造られているので、そこにどのような間仕切り壁を造るかの点さえ考えれば良い。今回は天井までの高い壁を造るのではなく、2m程度の壁で間仕切り、その上は開放とすることで圧迫感がないようにすることを考えた。壁はT字型に配置され、Tの上の部分が廊下との間仕切り、下の垂直線の部分が子供室同士の間仕切りである。2mの高さには梁を取り付けて安定させ、子供がぶら下がったりの行為にも耐えることが出来るようにしている。間仕切り部分は、柱の片側からだけシナ合板を貼ることで、貼っていない方からは本棚として利用できるようにした。狭い空間をどのように有効利用できるかの工夫である。下の写真は以前造った子供室の間仕切り壁の様子である。10.5センチの隙間がいかに大容量かがわかる写真だ。

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2021/03/25

今日は埼玉県川口市にて完成したKさんの家の雑誌チルチン人の取材に立ち会った。撮影には編集長の山下さん、カメラマンの秦さん、ライターの松岡さんの3名が訪れてくれた。僕は朝一番に地元川口市に依頼されている公職の保育園施設認可部会があったのでそれに参加し、終了後駆け付ける形となったのだが、現場ではすでにクライアントのKさんへのインタビューなどが始められているところであった。僕への質問にはあらかじめ答えを印刷しておいたので、到着後に一つ一つご説明させていただいたのだがこの住宅ではやっぱりこだわって使用した杉などの自然素材の話が中心となった。(内容は3月20日の日記に記載)

この住宅で使用した杉は栃木県の八溝山系で育った。八溝山系というのは栃木、茨城県に渡る低い山岳地帯で良質な杉が採れることで知られている。僕は昨年からこの八溝山系に添って流れる那珂川という川でカヤックやキャンプをしているのだが、この川は季節になるとたくさんのアユが採れたり、サケが遡上したりしてくるという場所で東京近郊のとても豊かな自然だ。翡翠やしろさぎなども毎回のように見ることが出来るし、すぐ近くで漁師がイノシシを解体しているとその上に鳶が数十羽も集まってきてその場をきれいにしてくれる様子なんかも見ることが出来る。山の木を積極的に使う事でその山が豊かになり、その結果そこから海に流れ込む川も豊かにすることが出来る。そしてそれは僕たちのふだんのくらしを支えてくれる海の漁業にも良い影響が生まれる、そういう循環を体で感じることが出来るのである。

そしてもう一つ、この現場で多用している栗の木は岩手県や北海道で採れた丸太の買い付けをして製材したものだ。もしも埼玉県の材木屋さんに栗の板を注文したらとてつもない金額を言われてしまうところだけれど、丸太の状態で購入し製材して1年間乾燥させてから使用すると、立米単価は20万円位で使うことが出来る。歩留まりが50%くらいなので実際には50万円見て置けば足りる事を考えると、中国産の運杉などと同じ価格で国産広葉樹の枠やカウンターを造ることが出来ることになるのでとても良い。栗の木は何となく黄色っぽい色をしていて、木目もとても柔らかい印象だ。ほかにも桜の木を玄関カウンターに使ったが、これは逆に赤身に魅力がある。下の写真はそのカウンターの様子である。

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最近は撮影の様子も様変わりしていて、この現場の上棟の様子はドローンを飛ばして空からの撮影を行っている。今日はさすがに空撮はしていないけれど雑誌の出来上がりはとても楽しみなところだ。

2021/03/24

10時過ぎ、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の打ち合わせ。いよいよ確認申請作業も終わり工事に入る段階である。契約を来週に控え、最終的な見積り書の確認などの打ち合わせを行った。

Hさんの家ではアグニというメーカーの薪ストーブを取り付けることになった。国産でデザイン性もよく大型でなかなか良いストーブだと思う。僕は基本的にストーブを取り入れることが好きなのだけれど、ストーブのデザインもいろいろあるので知っておくと面白い。

薪ストーブには鋳物でできたものと鉄板を曲げて作ったものの2種類がある。鋳物というのは型を造ってそこに溶けた鉄を流し込むことで形作られる。板金の場合は厚い鉄板を曲げたりボルトで固定することで形作られるのでそもそも製造工程が全く違う。鋳物というのは型を使用するから様々な造形を大量生産することで低価格で施すことができるという特性があるから、鋳物のストーブの場合は装飾的である場合が多い。例えばマンホールなども鋳物でできているが、その表面にご当地の風景などが描かれているのも鋳物ならではなのである。それから鋳物という素材は熱しにくく冷めにくいという特徴がある。それに反して板金はすぐに温まりすぐに冷めるので、事務所などのように出たり入ったりの箇所には板金のほうが適しているといえるだろう。しかしながら高温域を保つために使用する薪は板金のほうが多く必要であるわけだから、一長一短を理解して選択することをお勧めしたい。

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