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ますいいでは、古くなった物件を壊すことなく次の世代に引き継ぐお手伝いをしております。

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ますいいリビングカンパニーは埼玉県川口市にある注文住宅を作るデザイン設計事務所です。
ローコスト・セルフビルドでよい素材を上手に使い家族が幸せになる、そんな建築を目指しています。

ますいいリビングカンパニー|埼玉県川口市

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増井真也日記

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2020/10/16

朝一番で事務所を出て栃木県那須塩原市にある二宮木材さん見学へ。この製材所は栃木県でも有数の大きな工場で、主に栃木県産の杉を中心に製材している。杉というと秋田杉やら吉野杉が有名だけれど、最近では栃木県産材が日本一の品質を誇っているとのアピールのあるくらいに良質の素材が造られていた。この地方の杉材はちょうど樹齢70年程度のものがそろっており、しかも山でとても丁寧に手入れをされていることにより節や曲がりが少ないということである。ますいいの事務所でも杉のフロアリングを使用しているのだけれど、杉はとても柔らかみがあってはだしで過ごしたくなるような温かみのある床を造ることができるので良い。ほかにも室内の天井などに貼る羽目板や、造作で使用するための板材などを上手に取り入れていきたいと考えている。

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2020/10/14

午前中、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の実施設計打ち合わせ。今日は室内展開図を主に用いての詳細打ち合わせを行った。この住宅では薪ストーブをリビングの中央部に配置している。薪ストーブの上には吹き抜けがあり、2階のホールには書斎の様に使用できる開けたスペースが計画されている。ホールの上部にある開口部は大きなFIX窓と高所用の縦滑り出し窓の組み合わせとした。南側の高いところにあるこの窓が開くことにより、北側の階段室にある大窓との間で風の通り道ができることとなる。この窓はきっと夏場の暑い空気を排出することにも役立つであろうと思っている。

薪ストーブの両側には庭を望むことができる縦スリット窓を取り付ける予定である。リビングのどこにいても庭に対して開いていることは暮らしに大切な潤いを与えてくれる。リビングのどこにいても薪ストーブのほうを見るとその向こう側には庭が感じられるようにすることで、大切にしている庭を家の重心と呼べるような中心的な場所に設えることができると思うのである。

2020/10/13

今日は終日、明治神宮にて開催された裏千家のお家元の後継者を指名するという格式披露茶会にて、全国から集まった50歳以下の茶人による茶席に参加させていただいた。創作の棚・若手作家の道具を使用しての立礼ということで、それぞれの道具に応じた扱いを工夫しながらお点前をするなどというなかなか面白い嗜好であった。僕も2席目の点前をさせて頂いたのだけれど、いざお席が始まるとそれまでの準備も吹き飛ぶような緊張感に包まれる中で大変良い経験をできたと思う。

このような伝統文化というのは継続していくことがなかなか難しい。実際に茶道の人口もどんどん減っていると聞くし、次世代の家元となる千敬史さんもその時代を担う上で大変な苦労をされることが予想されるわけである。茶道がいわゆる女子絵の花嫁修業という時代は終わった。花嫁修業などという概念自体、共働きが主流の現代社会には全く当てはまらないと思う。今はその時代に茶道を始めた人たちが僕たちのさらに上の世代として文化の担い手となっていただいているわけだけれど、後10年もすればそういう時代の方々に頼り続けることは無理があるだろう。そして10年後には僕も50代半ば、いつも間にやら上の世代の担い手になってしまう。

僕たちの時代における茶道のような文化の意味とは?
・自国のアイデンティティーとして
・観光産業に素材
・精神的安定の材料として
・趣味
・一部の人にとっては生活の糧
・・・・
こういうことが考えられると思う。

でも、こういうことは花嫁修業のごとき爆発的普及はしないだろうから、そのまま放っておけば能や狂言のように、一部の人しか見たこともないというような、一般人には関係のないものになっていってしまうかもしれない。そして茶道がもしそうなれば・・・、抹茶、茶碗などの陶器、軸、漆や蒔絵、着物などなど多くの周辺にあるものたちもまた衰退の一途をたどるであろう。

僕は建築家としてモノづくりに携わっているから、こうした伝統的なもののデザインとか造り手にはとても興味があるし、伝統的でない現代の作家さんたちにも同じように興味があるのだけれど、こういうことに同じような興味を持つ人たちはそれほど多くはないだろう。そもそも茶道の道具はなんといっても高すぎる、という致命的な事実もなかなか普及できない理由の一つだと思う。高いものを購入するという事実は人のエゴとか見栄とかが購入要因であることもある。そして一部で本当に素晴らしい作品に対するリスペクトである場合も多いと思う。前者による購入が少なくなるとするならば、後者による購入の適正価格とはいかほどなのかを追求し新たな販路を造る事、これは道具作家の生き延びる一つの道かもしれない。

次世代の家元が茶道をどのように率いていくのかはわからないけれど、一つの流派の家元だけではなく社会全体としてに日本らしい暮らし方の一つとしての茶道を大切にしていく傾向が高まっていくようなことを期待したいと思う。
イギリスの哲学者トゥインビーの言葉で、
・自国の歴史を失った民族は滅びる
・物の価値をすべてと捉え、心の価値を失った民族は滅びる。
・理想を失った民族は滅びる
という言葉がある。
これからこの国で生きる子供たちのためにもやっぱり大切にしていきたいものだと思うのである。


2020/10/10

午前中は埼玉県さいたま市にて設計中のSさんの家の断面スケッチ。Sさんの家は1000万円で家を建てるという挑戦をした木造2階建ての住宅の増築計画である。土地を購入し、既存の木造住宅と行き来できるような別棟を造る予定であるが、今日は矩計図といういわゆる断面詳細図を作成し、作り方の基本を押さえるためのスタディーをした。1階の床は土間仕上げである。基礎コンクリートの上にモルタルを50mmほど打つ仕上げとした。2階の床は下地に無垢ボードという杉の幅ハギ材を使用しその上にフロアリングを貼る。それにより水平剛性を確保しながらそれをそのまま天井仕上げとして現しにすることを検討している。

ロフト部分は杉の30mの厚板をそのまま仕上げとして貼る。もちろん裏側も現し仕上げだ。こうすることで天井下地を作る作業などを省くことができるので、全体的なコストダウンを図りつつ、構造の梁や床フロアリングの無垢材の天井現しという木の家の魅力を生み出すことができることとなるだろう。

午後、茶道稽古。来週の火曜日に明治神宮での茶会にてお点前をするということで急遽、三園棚による立礼のお点前の特訓である。本来はいつでも指名されたらすぐに動じずにできなければならないものであるのは重々承知はしているものの、なかなかそうはかないのが現状である。久しぶりの立礼だったが、3回ほど繰り返すことで何とか思い出すことができたようだ。

2020/10/08

今日は一日中建築のスケッチをして過ごした。午前中は昨日と同じ埼玉県川口市にて進行中のKさんの家。昨日に引き続きリビング、キッチンにある窓枠の意匠、ペレットストーブの配置などについて検討をした。

午後は埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家のスケッチである。玄関周りの框や窓、収納家具などについてのスタディーを終え、リビングに配置する大階段の窓や、薪ストーブの上に付ける予定の大きなFIX窓などについて検討をした。

スケッチは肉体労働か頭脳労働か?僕にとっては大した差異はない。建築の世界では設計者として偉そうにしている頭脳労働者が多くの肉体労働者を使っている(僕が最も嫌いな表現だがあえてここでは使ってみよう)のが普通だけれど、そもそも資本主義社会においては。肉体的であれ頭脳的であれ、すべての労働が貨幣価値に変換されてしまっているのだから、区別すること自体に意味がないのだ。あるとしたらどちらかの側に立った人が自分を認めるためのエゴでしかないのだと思う。

もう少し詳しく書くと、資本主義社会において賃金をもらって働いている以上、頭脳労働者としての設計者は決して本質的な指導者的立場にあるのではなく、ただ単に設計という労働をしている肉体労働者と変わりはないのだという事だ。もしかしたら一日中机の前に座っていなければいけない分だけ、体に悪い厳しい仕事ともいえるだろう。ではだれが支配的立場にいるのだろうか。ある一面では大手のディベロッパーであり、ある一面では行政や政治の世界の人たちかもしれない。

昨今の建築現場ではベトナム人の研修生の姿をよく見かける。彼らは一日1万円にも満たない給料で事実上の肉体労働者として働いているのだけれど、同じ労働をしている日本人がその倍以上の給料をもらっているという現実は、労働の種別ではなく、研修生という名のもとに支配されてしまうという新たな階級を生み出している。

世の中はずるいのである。そんなことはわかっているが、でも自由に造りたいものを造りたい。住宅は唯一それが許される世界なのだと僕は思う。そしてそれはクライアントにとっても同じことなのだ。

自分の家を自分で考える、つまりは設計行為を自分自身でも行った建築の現場作業を自分で行うという事は、肉体的でも頭脳的でもない新しい労働の質を生み出す。頭の中から生まれた形を、現実のものとすべく職人さんたちと協働しながら、そして自分の体も動かしながら造り上げる労働は、お金の為の労働ではなく、そしてただの遊びでもない、まさにウイリアムモリスが羨望した景色に描かれた新しいスタイルだ。こういう事を大切にしていくことが人間の尊厳を大切にする事なのだと思う。

2020/10/07

午前中は埼玉県川口市にて進行中のKさんの家の図面チェック。今日は洗面室とトイレについてのスケッチを中心に描く。洗面室で使用するのはTOTOの実験室用シンクである。このシンクは大型で価格も安く使いやすいのでますいいでは定番の商品だ。洗面台の天板には9mm厚のフレキシブルボードを使用する。幕板は栗の板を製材して使用する予定だ。前面の壁には同じく栗で造られた枠にはめ込まれた鏡があり、その横にはしな合板の収納家具が取り付けられる。フレキシブルボードの天板と鏡のあいだにはセルフビルドでタイルが貼られる予定だ。セルフビルドのタイル貼りは初めは少々とっつきにくいけれど、タイルのカットさえ覚えてしまえばだれでもできる簡単な作業だ。壁にはモイスという石灰質の板材を貼る。背面には大きな収納があり、家族全員のタオルや下着などの収納が可能となっている。

身の回りの様々なものを自分で造ろうという事は、知覚できるテリトリーを出来るだけ拡張していこうとすることだと思う。ハイテク社会において便利なものを受け入れれば受け入れるほどに、なんだかよくわからない物や事に支配される割合が少しずつ増えていくような気がする。意識するとしないとにかかわらず、何者かに自分自身の行動や嗜好を監視され分析され・・・、社会全体が表面からは理解できないほどに迷宮化している。でも、人が暮らすってそんなに複雑な事なのだろうか。住宅は僕たちの理解できる空間へと創り直すことが出来る唯一の居場所である。だからこそ出来ることは自分でやる、セルフビルドが価値があるのだと思う。

スケッチをしているとだんだん楽しくなって見積もりに入っていない物まで書き始めてしまう。勝手に書いて追加を請求できるはずもないので、気を付けないといけないのだけれど、でもやっぱりこうしたいなあの感には勝てるものでもない。クライアントにとっては一生に一度の家づくりなのだ。少々のサービスは良しとしよう。

2020/10/05

SNSは普段あまりお会いすることはできない人を思い出させてくれる。僕はそれほど得意ではないのだけれど、Facebookだけは何となく暇な時に目を通す。先日は気まぐれカフェなる隠れ家的なカフェを営むあべさんの記事を目にした。内容はカフェの話もあるけれど、日常の中でふと目にする自然の営みのような内容も多いので読んでいて面白い。そしてふと季節を思い出させてくれる。

このカフェはとても古い住宅のリフォーム工事を依頼されるところから始まった。構造体はゆがんでいて、建て替えをしてもおかしくないような状態であったのだけれど、あべさんの強い思いでリフォームの道を進むこととなった。居間にはご両親の遺影が飾られていたことを強く記憶しているけれど、家を建て替えずにリフォームされる方は必ず遺影が飾られているものだ。ご両親やご先祖様とのつながりがあって自分がいる、そんなことを大切に思う心が家も大切にするのだろう。工事は耐震補強工事、お風呂などの設備のやり替え、古い部分を残したり部材を再利用したりしながら経年変化の良さを残しつつ、カフェとしての内装を造る事工事、庭との関係を生み出すデッキ工事などを行った。

この写真は昨年辰巳拓郎さんのテレビ取材を受けたときに撮影したものだ。辰巳拓郎さんも健康にはかなり気を使っているそうで、あべさんの体に良いレシピにとても興味を持たれていたことを思い出す。

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2020/10/04

今日は栃木県の那珂川下りの3回目である。レクリエーションカヤックで初の体験をした後に、ハイブリッドタイプと呼ばれるカヤックを経て、ついにリバーカヤックに初挑戦することになった。これまで乗っていた物と比べるとだいぶ小さく感じる。長さは2mほどしかないだろう。リバーカヤックというのは川下り用に開発されたカヤックで、小回りが利いて自分の思い通りに動かすことが出来るので、ホワイトウォーターと呼ばれるいわゆる激流下りなどもできるタイプのものを指す。今回乗ったのは、ダガーのリワインドMD、フラットボトムで安定性があるタイプである。

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何となく始めたカヤックによる川下り。毎週のように栃木県の那珂川に来ていると、自然の中で過ごす心地よさが病みつきになる。那珂川の太平洋側には八溝山地という低い山々が連なっていて、そこでは良質な杉材が育てられている。最も高い山は標高1022mの八溝山、この八溝山系で伐採された材木は「八溝材」といい、国産材の八溝杉はその一つである。素性がよく狂いにくく、木目が美しい、赤身の色が美しい、曲げに強いといった点から、関東きっての良材として、木材業界では高い評価を受けている。ますいいでもこの山系のスギ材を柱として使用しているし、今後の家づくりでは梁材もこの八溝杉を使用していく予定である。

山の豊かさが川を通じて、海に恩恵をもたらすことは広く知られている。山の樹木から落ちた葉や、森の土壌に含まれる多くのミネラルをはじめとする様々な物質が雨水や地下水に溶け込み、河川を通じて海洋に運ばれ、植物性プランクトンを大発生させて、それが貝類や動物性プランクトンの餌となり、やがて小型魚、大型魚と食物連鎖が進んでゆくのだ。「海を豊かにしているのは山の森」なのである。その山を整備するにはやはり人手が必要だ。山を整備すてくれる人々、つまり林業に関わる人が暮らしていくためには、その山でとれる木を売らなければいけない。地域の山を育てる人、地域の山の木で家をつくる人、地域の山の木で作った家に暮らす人、こういう関係性が成立する事こそが僕たちの暮らす自然を守ることにつながるのである。

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川下りのベースキャンプの近くには石畑の棚田というところがある。ここでは平成12年から、地元農家7名が集まり、棚田の再生と保全を目的に、入郷棚田保全協議会を結成し、現在は、毎年50~60組のオーナーと11戸の地元農家が活動しているそうだ。
・・・以下茂木町HPより
石畑の棚田について
 日本の棚田百選にも選ばれている当地区。
 年会費3万円で、棚田のオーナーになれます。
 田植え、草刈り、稲刈りなど、年間を通じた農作業に参加していただきます。
 地元の農産物のお土産付きです。

●棚田の特色
 中山間地の谷津田が棚田を形成
 面積 2.4ha 田の枚数 180枚
・・・・・・・
人口約1万人の過疎の進む町でもこうして豊かな自然を守る活動を行っている。最近毎日のように隈による被害が報告されているが、人は厳しい自然と調和しながら、そして時には川の流れを変えるがごとき力業を使いつつ、人が生きていくことが出来る状況を作ってきたのである。家づくりとは人が暮らす場を作ること、だからこそそこで使う材料も僕たちや子供たちが暮らす未来につながるように考えながらセレクトしていきたいと思うのである。

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2020/10/03

10時、埼玉県川口市にて家づくりが進行中のKさんご家族打合せ。現場では基礎工事が進められているのだが、今日はアルミサッシや外壁、屋根などの色について話をした。外壁はモルタルとジョリパットの2種類を1階と2階で塗り分ける。2階が1階よりも910㎜跳ねだしているのでモルタル仕上げの荒々しいグレーのボリュームに、ブラウン系のアースカラーで仕上げられた大きなボリュームが乗っかるような建築である。モルタルの外壁面と呼応して、ジョリパットも少々粗目の小粒ロックSが良い。屋根などの色ももちろんブラウン系である。アルミサッシの色は外壁に合わせて上下階で分けることにした。出来上がるがとても楽しみな住宅である。

川下りをしているとカワセミを見かけることがある。カワセミは翡翠と書いたり、川蝉と書いたりする小さな鳥で、羽の色が鮮やかな青色をしているのが特徴だ。水の中にいる小魚を捉えて食べるので、水面に近い小枝などに留まっていることが多く、水面側から崖を眺めていると運が良ければ見つけることが出来る。川が濁っていると魚を食べることが出来ないので生息できなくなってしまうから、自然環境のバロメーター的な存在として扱われてきたそうだ。実際に翡翠を見た時の印象は、映画の中で見るティンカーベルのようなイメージである。飛び立つと直線的な動きをして獲物を捕らえ、そしてまたどこかへ留まるのだけれど、その小ささと色の鮮やかさが、実際には見たことはないけれどそんなものを思い出させるのだろう。

日本にはたくさんの山や川がある。そして周りを海で囲まれている。なんだか最近はクマに襲われた事故のニュースばかりが目に付くのだけれど、自然は僕たちにそれ以上の様々な恵みを与えてくれていることを忘れてはいけないと思う。都会で生活をしているとどうしても忘れてしまうことがある。でも都会での平穏な暮らしがこの先もずっと続いてくれるというような楽観的な思考は、昨今の異常気象などの状態を見るとなかなか持ちえないのではないだろうか。台風による風被害や洪水、動物たちによる被害、地震、世界中で燃え続ける山火事、・・・一体僕たちの住む地球はどうなってしまうのかと考えない日はない。翡翠を見ると彼女の妖精の粉を浴び「信じる心を持てば空を飛べる」ティンカーベルを思い出すのは、その愛らしい姿が僕たちの心に「僕たちが信じればこの地球もまだなんとなやり直せるのではないか」と思わせてくれるからかもしれないと思うのだ。

2020/10/02

朝7時過ぎ、埼玉県蕨市にて10年ほど前に造ったMさんの家の作業立ち合い。今日の作業は3階のバルコニーに猫の為の囲いを造るという作業である。レッドシダーのツーバイフォー材をあらかじめキシラデコールで塗装しておいたので、まずは大工の本間さんとスタッフの堀部君と一緒に荷揚げ作業を行った。地上、2階のバルコニー、3階のバルコニーの3か所に分かれ、荷揚げ作業をする事約30分、短い時間でも汗ばむ大変な作業である。大工さんが囲いを造った後に、Mさんたちがネットを張って出来上がり。捨てられた猫を保護して、飼育して、新たな飼い主を探すというボランティア活動に少しでも協力できたとても有意義な一日であった。

2020/09/29

午前中は、埼玉県上尾市にて設計中のHさんの家の実施設計打ち合わせ。今日は平面図と断面図などを用いての打ち合わせを行った。この家の計画では幅が2730㎜で上り口が1820㎜の大きな階段を計画している。階段の踊り場には大きな掃き出し窓が計画されており、階段室には北側の窓から安定した光が降り注ぐこととなるだろう。階段の1段目を利用してソファーのごときスペースが設けられ、そこに座ると正面に薪ストーブが設置されるようになっている。薪ストーブの両側にはスリット窓があり、そこから南側の庭を垣間見ることが出来る。ここが家の重心だ。

家には重心があると良い。そこは家族の意識が集う場であるから、どこにいても何となく視線を向ける場所とするように計画する方が良い。重心がある家は家族がバラバラにならないというような効果があるように思える。逆に個人のプライバシーを守るための個室ばかりを重視してつくられた家では、家族自体も個別化していってしまうように思うのである。

13時過ぎ、茶道稽古。今日は大円之草の点前をした。大円盆には、右上に唐物茶入、左に和物茶入、手前に天目茶碗を置く。仕込んだ大円盆は、水指の前に飾り、建水を持ち入るところからのスタートとなる。10年間のおけいこの中でも、なかなか毎週参加することが出来ない僕は、奥伝までたどり着かない月が多い。恥ずかしながら今日で2回目、すらすらと自分で出来るはずもなく、先生に指導をして頂きながら約1時間ほどであろうか、何とか最後まで行うことが出来一安心だった。

手前の中でもみ手という所作がある。寒いときに無意識に行う左右の手のひらを揉み合わせる動きなのだが、茶道の中でもこんなことを行うところがなんだか面白い。何かを依頼するときにも揉み手という所作をすることがあるが、手をすり合わせる事にどんな意味があるのだろうか。

18時、ますいいで長年頑張ってくれた渡辺さんが出産のための休暇に入った。育児休暇という制度は子供を産み育てつつも会社に所属し続け、1年後に復帰をするためには本当に必要なものであると思う。その間の手当が給料の6割程度支給されるというのもまた安心して子供を産むことが出来るためにありがたい措置だ。夕方簡単な送別会を行うもいつの間にやら日本酒まで登場しての宴会となってしまった。元気な子供を産んでくれることを心より祈りたいと思う。

2020/09/28

ますいいリビングカンパニーに材木の加工機が登場した。丸太で購入した栗や桜、オニグルミといった板材を造作するための機械である。これらの国産広葉樹は近所の材木屋さんで注文しても買えるものではない。ますいいでは岩手や北海道産の丸太を購入し、約1年間寝かせた後に川口市にある木材倉庫に保管している。写真は1年ほど前に購入した栗の木である。興味のある方は是非ご相談いただきたい。

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2020/09/26

15時、旧知のライターさんの渡邊さん、谷内さん、介川さんのお三方より、工務店機能を有する設計事務所としてのコロナに対する対策などについての取材を受ける。なんでもリフォーム業界へ向けたコロナの中での営業活動についての啓もう活動を行うことが目的とのこと。ますいいとしては、電車通勤を避けたり、昼食時の外食を避けるために調理師さんによる昼食を取り入れたり、マスクを着用したり、消毒をしたり、ZOOMによる打ち合わせを採用したり、・・・まあおそらくほかの会社でもやっているような対策を順次取り入れて試しているというような状況である。こうした対策をしているうちに、分室からでも本社サーバーにアクセスできるようにVNPサーバーでを取り入れたり、ネットワーク型のCADを導入したりの業務環境改善にも着手したのだけれど、このような動きは職場の効率化にも寄与したような気もするのでもしかしたら他社さんにも参考になるかもしれない。

終了後、渡邊さんと谷内さんを招いて自宅で食事会。自宅にはすでにさんかくの家のクライアントである田中さんが来ていて、妻と二人で歓談していた。10年ぶりくらいだろうか、そもそもこんな風に集まって食事をするなど初めての機会である。渡邊さんは雑誌「住まいの設計」のライターさんとして扶桑社に勤めていたころ、僕が初めて取材を受けた鳩ヶ谷の家の取材に来てくれたのがお付き合いの初めであった。それ以来何件かの取材をしていただいたのだが、今から10年ほど前に渡邊さん自身の家を造らせていただいた。それが船橋の家である。

この家の大黒柱は埼玉県の杉を使用している。大きな屋根を支える柱はこの家の象徴的な存在として立ち続けている。障子のはめ込まれた大窓の向こう側には庭があり、窓辺と庭は地続きの関係となっている。一段下がったキッチンは、そこに立つととちょうど目線が居間に座る人と同じ高さになるように作られている。さんかくの家、船橋の家、ともに強い思いを込めて作らせていただいた住宅のクライアントとこうして10年以上ぶりに集まって食事会を行うことができる・・・、こんなことも住宅という仕事の素晴らしいところだと思うのである。

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2020/09/25

ますいいリビングカンパニーでは現在、栃木県や茨城県・一部紀州産の木で家の構造体を造るように心がけている。いつのころからか外国産の木をただ単に安いからという理由だけで使うようになってしまっていたのだが、近年の気候変動等の環境問題はこうした経済至上主義のもとに生まれた問題といえるだろう。わざわざ遠くの国から燃料を使って船で輸送して来なくとも、日本には多くの山がありそこにはたくさんの木が生えている。木を伐り、植え、育てるという山の循環システムをしっかりと造り上げることで、豊かな自然を育むことができる。山を手入れすることができれば、それだけ自然災害も防ぐことができるし、その山に登ったりのレクリエーションの場としてもより魅力的な空間となるであろう。ただ安いというだけの理由で外材ばかりを使うという行為は、一瞬クライアントのためになるかもしれないけれど、こうした日本の豊かな自然をも放棄することにつながってしまうのである。それに木というのは育った気候風土の中で使用すると長持ちする。こうした家造りを行うことは、結果的にクライアントの利益となるわけだし、大きな目で考えればこの国で育つ子供たち全体の利益になると考えている。

2020/09/23

今日は東京都北区にて設計中の木造3階建ての集合住宅の地鎮祭に参加。この集合住宅は全部で6世帯の小規模ではあるけれど、木造の耐火建築物ということで少々大変な挑戦をしている。木造耐火建築の場合、例えば外壁に21mmの石膏ボードを2枚張ってからALCなどで仕上げをするなどの仕様が義務づけられているために、建物荷重も重くなるし、大工さんの工事内容も普通の建物より倍くらいのボリュームになってしまう。壁が厚くなることにより、床面積がどうしても狭くなってしまうという不利もあるのだが、それについては鉄筋コンクリート造よりは薄くなるので設計上の工夫で何とかなるレベルではある。なかなか大変なことはあるけれど、でもやっぱり木造が良いんだよの思いで進めてきたのだ。

なぜ木造がよいのか。まずは環境負荷の問題が挙げられるであろう。例えば建物の主要材料となる材木、鋼材およびコンクリートについて炭素放出量の比較をしてみると、鉄骨造は木造の2.9倍、鉄筋コンクリート造は4.2倍で、木造住宅は鉄筋コンクリート造、鉄骨プレハブ造に比べてきわめて小さい値となる。製造時の大気汚染や水質汚染などについても同じことがいえるのだが、こういうデータを見なくとも森林を手入れして入手した材木を製材して組み立てるだけの木造建築が環境にやさしいのは誰が考えても当たり前の事実であろう。次に考えられるのは住まいとして最も快適な構造であるということだ。やっぱり人はコンクリートの中に暮らすよりも気に囲まれて暮らすほうが良いに決まっている。今回の集合住宅にはエントランスや室内の一部に無垢の木を使用するなどして、なるべく注文住宅のように木に触れることができるように配慮した。小さなお子さんがいる世帯くらいまでは暮らすことができるプランなので入居者にもきっと喜んでいただけることと思う。

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